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CATEGORY : ビューティ |スキンケア

顔は洗わない!? 化粧水はつけない!? 驚異の美肌をもつ川上愛子さんのスキンケアの極意

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川上愛子さん

一日の終わりには、メイク落としでメイクをオフし、洗顔をして、お風呂上がりには化粧水と乳液、美容液やクリームでお肌を整える。そんなスキンケアが当たり前になっている人は多いですよね。でもじつは、その多くが「必ずしも必要のないことなんです」と話すのが、一般社団法人 日本爪肌美容検定協会代表理事でコスメ薬事法管理者の川上愛子さんです。そんな川上さんに、「皮膚科学+化粧品成分学」という科学的根拠と豊富な経験則から導き出した「輝く肌の作り方」を教えていただきます!!

監修 : 川上 愛子

1975年9月19日生まれ。山形県出身。
肌育成スペシャリスト。美容関連の仕事につくプロが、爪や肌、化粧品&化学成分、医薬品医療機器等法など科学的根拠に基づいたカリキュラムを学ぶANSEM(社)日本爪肌美容検定協会代表理事。現役の専門技術者や有資格者が科学的根拠を元に健康を基本とした美容を発信する団体「Beauty Pro46」代表。コスメ薬事法管理者。皮膚常在菌の働きをわかりやすく解説する著書『皮膚常在菌ビューティ!』(ワニブックス)が好評発売中。
公式HP:http://ansem.jp/top/
Twitter:https://twitter.com/aykh_
Instagram:https://www.instagram.com/aikokawakami.official/?hl=ja
ブログ:https://ameblo.jp/coeurbeauty-co-ltd/

Contents 目次

皮膚常在菌の力で美肌になれる!

指で肌のチェックをする

肌育成スペシャリストとして、2万人以上をスキンケア・カウンセリングしてきた川上さんは、皮膚常在菌の働きに着目した「洗わない美容」の第一人者(もちろんご本人の肌も、43歳とは思えないつややかさ!)。
川上さんによると、「腸活」ブームで菌に関する研究が進んだここ数年、私たちの体に棲む無数の菌が美と健康に大きく貢献していることがわかってきたそう。
私たちの皮膚に棲む皮膚常在菌もそのひとつで、川上さんも、「菌にうまく働いてもらうことで、美容と健康は維持できる」という確信を深めたといいます。

「たとえば、皮膚の表面に棲む表皮ブドウ球菌は、私たちが分泌する皮脂や汗を分解して保湿成分グリセリンを作り出し、肌をツヤツヤにしたり、脂肪酸を分泌して肌を弱酸性に保っています。これが弱酸性バリア(皮脂膜)となって、ウイルスや雑菌が体に入りこむのを防いでいるんです。

表皮ブドウ球菌が元気に活動する弱酸性の肌は、天然の保湿成分が行き渡り、肌全体がしっとりうるおった状態。皮膚のpHでいうと4.5~5.5くらいです。これよりもpHが大きくなると中性からアルカリ性に、小さくなると強酸性に近づき、いずれも刺激が強すぎて肌トラブルを引き起こしてしまいます。

そして、肌がアルカリ性に傾くのはどんなときかというと、消毒や洗浄などで常在菌をとりすぎてしまったときや、睡眠不足、栄養の偏りなどで、皮脂や汗の分泌が減ってしまったり極端に増えたときなどです。疲れたらしっかり休んで体の中からいい分泌をすることと、肌を洗いすぎないことが大切なんです」(川上さん)

皮膚科学の仕組みを知り、「洗わなくていいんだ!」と

洗顔する女性

川上さん自身が「洗わない美容」を始めたのは、10年ほど前のこと。30代になって皮脂の量が減ってきたと感じた時期に皮膚科学の勉強を始め、肌の仕組みについて知ったのがきっかけでした。

「肌は細胞と細胞が互いに水素結合などをすることでくっつきあって、皮膚という状態を保っています。そして、水に濡れるとその水素結合が切れてつながりがもろくなったりするので、濡れたあとの肌は体内の水分を失いやすく乾燥しやすい状態に。同時に、つながりがもろいことで水分が入りやすくもなるので、洗ったあとはすぐ保湿!という理論になっているわけです。

でも、一番いいのは、自分が持っている肌細胞の水分をなくさないことですよね。洗うたびに肌がもろくなるなら、洗わないほうがいい気がする。スキンケアもラクなほうが好きな私は、やった♪洗わなくていいんだ!と(笑)。以来、朝晩の洗顔フォームなどをやめ、濡らす回数も減らしました。化粧水も水分なのでなるべく使わなくなりましたが、そのほうが肌の調子がいいです。特にこの5、6年は、肌の老化をあまり感じなくなりましたね。

ただ、20代のうちは皮脂の量が多く、洗わないとニキビの原因になったりするので、皮脂量が多いと感じる人は、その日の肌状態によって、洗うかどうかを決めるといいと思います」(川上さん)

最強メイクと最強クレンジングの頂上決戦を毎日やるのはNG

クレンジングする女性

洗顔をしないとなると、メイク落としはどのようにすればいいのでしょうか?

「私も、たまに落ちないコスメでフルメイクをした日は、クレンジングをして顔を洗います。でも、落ちないメイクとなんでも落ちるクレンジングの頂上決戦を毎晩やっていると肌に負担をかけるので、講座などで人前に立つ日はフルメイク、普段は落としやすいメイクというふうに使い分けています。

洗顔フォームなどの洗浄剤に入っている界面活性剤は、水に濡れるとマイナスの静電気を発生させ、泡立ちます。そのマイナスの静電気(泡)が油汚れを分解するので、マイナスの静電気が強ければ強いほど泡立ちがよく、洗浄力が高いですが、そのぶん皮膚への刺激も強くなる傾向に。

一方、乳液に入っている乳化剤は、電気を出さずに油汚れを吸着できる、電気の出ない活性剤。だから普段は、乳液を肌にのせ、指でくるくるして汚れを浮かせて、肌をこすらないようコットンに乳液を出してメイクをふき取っています。このとき使う乳液は、ドラッグストアで売っている300円ぐらいのもので十分。もちろん顔は洗いません。少しベタつきが気になる日にすすぐくらいです。」(川上さん)

では、入浴後の保湿はというと?

「お風呂では髪を洗ったりしてどうしても顔が濡れますが、水蒸気が漂う浴室は湿度が高く、肌の水分もたっぷり。お風呂を出て乾いた空気の中に移動すると肌の乾燥が始まるので、多くの人はまた水分(化粧水)をつけますよね。でも、お風呂を出る前に蒸気で潤った肌に油分を塗ってふたをすれば、お風呂上がりの化粧水は不要なわけです。だから私は、浴室を出る前に浴室内で乳液をつけ、あとは肌の状態によってクリームかオイルをプラスしています。

もちろん、お風呂にいても少しかさつくなど、水分が足りないと感じる日は化粧水を足すこともありだと思います。化粧品は、“足りないものを補う”という意識で、必要なことだけやるといいでしょうね」(川上さん)

「やはり自分で分泌しているものがいちばん自分の肌を潤わせてくれます!」と川上さん。次回は、「いい菌の育て方」について伺います。

川上さんのスキンケア理論をもっとくわしく知りたい人は
「皮膚常在菌ビューティ!」

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