こうじで作られたあま酒は、ブドウ糖、オリゴ糖、ビタミンB群、アミノ酸など栄養価が高いのが特徴。効率よくエネルギーに変換されることから、「飲む点滴」ともいわれます。そんなあま酒を、砂糖の代わりに料理に使うことでヘルシーになるだけではなく、栄養やおいしさもアップ! 料理研究家・舘野真知子さんの新著「料理用あま酒、はじめました。」(光文社)よりお弁当にもぴったりなあま酒レシピをご紹介します。
Contents 目次
あま酒を使って栄養をプラス!料理のおいしさもアップ!
自然でやさしい甘みのあるあま酒は、砂糖の代わりとして料理に大活躍してくれるのだとか。
では、あま酒を料理に使うメリットとはなんなのでしょう?
砂糖の代わりに使って栄養効果をプラス
「こうじで作るあま酒が甘いのは、発酵の力。こうじ菌の働きでお米のデンプンが分解され、ブドウ糖や麦芽糖、オリゴ糖に変化するからです。
さらに、その発酵の力で、アミノ酸やビタミン類、食物繊維など、砂糖にはない栄養成分が生まれます。話題のシュガーフリーとは、精製されて栄養素を失った、ただの添加物ともいえる白砂糖から、へルシーな甘みに代えようという考え。
まさに、あま酒はシュガーフリーな甘み。体にもいいのです」(料理研究家・舘野真知子さん)
素材がふんわり&やわらかくなる
「あま酒には、たんぱく質を分解する酵素が含まれています。そのため、肉、魚介、卵などのたんぱく質食材に加えると、ふんわり&やわらかに。
さらに、麦芽糖が味とともに水分を引き入れてくれるので、食材がパサパサにならず、しっとりジューシーに仕上がります。その食感は、冷めても持続するからスゴイ。
調味料として加えるだけなので、手聞が増えないのもうれしい点。『料理の腕が上がった?』 なんてほめられること確実です」
お弁当の人気おかず!卵焼きとしょうが焼きのあま酒レシピ
今回、ご紹介するのは、お弁当の定番&人気のおかずである卵焼きとしょうが焼き。
早速その作り方をみていきましょう。
しっとり豚しょうが焼き
【材料(2人分)】
豚ロース薄切リ肉(しょうが焼き用) ・・・200g
Aあま酒・・・大さじ2
Aしょうゆ大さじ・・・1
Aしょうがのすりおろし・・・小さじ1
キャベツ・紫キャベツ(あれば) …各適量
ごま油
【作り方】
- 1.豚肉に混ぜ合わせたAをなじませ、10分ほどおく。キャベツと、あれば紫キャベツをせん切りにする。
- 2.フライパンにごま油小さじ1を中火で熱し、豚肉を焼く。火が通ったら器に盛り、キャベツを添える。
<ここが素晴らしい!>
中までしっかり味がしみて、冷めても美味。かたくならないのでお弁当にもおすすめ
外は味がついているのに、中はパサパサ。そんな経験はありませんか? あま酒の糖分である麦芽糖には、水分とともに味をしみ込ませる作用があります。だから、肉がパサつかず、しっとり。かめばかむほど味わい深く、冷めてもおいしいしょうが焼きになるのです。
味がしっかりつくので、塩分は少なくてOK。減塩したい人にもおすすめです。
ねぎ入り卵焼き
【材料(2人分)】
卵・・・ 3個
あま酒・・・大さじ4
万能ねぎの小口切り・・・大さじ3
大根おろし・・・大さじ2
塩・油・しょうゆ
【作り方】
- 1.ボウルに卵を割りほぐし、あま酒と塩小さじ1/3を加え混ぜ、さらに万能ねぎを混ぜる。
- 2.卵焼き器に油少々を中火で熱し、余分な油を拭きとる。1の1/3量を流し入れ、半熟になったら奥から手前に巻き込む。焼いた卵を奥に寄せ、あいた部分に油少々を引き、1の1/3量を流し入れ、同様に焼く。これをあと1回繰り返す。
- 3.2を食べやすい大きさに切り、器に盛って大根おろしとしょうゆ少々を添える。
<ここが素晴らしい!>
舌の上でふんわりほどける、やさしい甘さのだし巻き卵に
幸せを感じるやさしい甘さもさることながら、あま酒にはうま味も含まれるので、まるでだしを加えたような上品な味わいに仕上がります。
たんぱく質分解酵素の働きで、ふんわりやわらか。同じくこの酵素の働きで卵白の切れがよくなり、簡単によく混ざる、なんて思わぬ時短効果もあります。あま酒が沈殿しやすいので、混ぜながら加えるのがコツです。
使用する料理用あま酒の簡単な作り方も、本の中で詳しく紹介されています。レシピはこうじと米で作られたあま酒で代用ができますが、より料理に使いやすい濃厚な料理用あま酒を手作りするのも、あま酒レシピをたのしむ1つのポイントになりそうです。
もっと詳しくあま酒レシピを知りたいという人は、舘野真知子さん著『料理用あま酒、はじめました。』をチェック!
文/FYTTE編集部