ダイエットだけじゃない！　断食のメリット

ダイエットに有効な手段として浸透しつつある断食、ファスティングですが、そのメリットはダイエットだけではありません。

「食事は私たちが生きるために不可欠ですが、『食べること』、『消化・吸収すること』は私たちの体にとって負担となる一面も。
断食には、代謝アップや摂取カロリー減によるダイエット効果だけでなく、消化・吸収にかかるエネルギーをほかにまわすことによって、健康増進、パフォーマンス向上、新陳代謝の正常化、胃腸の機能回復、デトックスにつながるなど、さまざまなメリットがあります」と佐々木さん。

そして、今回は気軽にトライしやすい「週末断食」のやり方を教えていただきました。

金曜夜〜日曜夜で完結！　週末断食の方法とは？

「週末断食」を成功させるには、ただ食べない日を設けるというだけでなく、断食前後の準備やケアも重要だと佐々木さんはいいます。

「仮に土曜日を断食デーとするなら、金曜日の夕食は和食など消化のよいものにして、20時以降は固形物の摂取や飲酒は控えるようにしましょう。明日からファスティングをがんばるからといって、最後の晩餐のように食べすぎたり、ハイカロリーな食事をしたりするのはよくありません」

きちんと前日から備えておくことが、断食成功への最初のステップといえそう。

断食当日の土曜日は、ただたんに食を断つということではなく、いくつか押さえるべきポイントがあるといいます。

「断食当日は、固形物は口にせず、水やファスティングドリンク、コールドプレスジュースなどを飲みながら過ごします。胃腸をしっかり休めるために、繊維質を含むスムージーなどはおすすめできません。また、カフェイン、アルコールの摂取は控えましょう」

断食当日には、およそ1.5〜2リットル程度の水分をとるのが目安で、空腹を感じるときには、ファスティングドリンクなどを多めに飲んでもよいそう。また、断食中は食事からの熱エネルギーがない分、体が冷えやすくなるので、白湯など温かいものを飲むのもおすすめです。

しかし、固形物を口にすることなく土曜日を過ごすことができたら、そこで断食成功かというと、そうではありません。

「断食は、事前の準備と同じくらい「回復期」を設けることが大切です。断食の翌日である日曜日は、終日おかゆや具なしのおみそ汁など、消化のよいものを食べて少しずつ体を慣らし、月曜日から通常の食事に戻していくようにしましょう」と佐々木さん。

断食後、急にふだん通りの食事をしてしまったり、ガマンの反動から過食してしまったりすると、体調を崩す恐れがあるだけでなく、せっかくがんばった断食の効果が台無しになってしまうかもしれません。焦らず、じっくりと体を戻していくことが大切です。

週末断食で気をつけたいポイント

断食は、短期間であっても私たちの体に大きな影響を及ぼすもの。だからこそメリットが多い反面、正しく行わないと体調不良を引き起こすなどのリスクもひそんでいます。

「断食・ファスティングは、体重や体型が気になる人だけでなく、疲れや老廃物がたまった体をリセットしてパフォーマンスを上げたい人、妊活を考えている人にもおすすめです。
一方、妊娠中や授乳中の女性、体調がすぐれないときにはおすすめできません。また、基本的にファスティング中は薬やサプリの摂取ができないので、常用している薬がある人は、まずは主治医へ相談しましょう」と佐々木さんは注意を呼びかけます。

断食中に頭痛を感じるときは、精製されていない塩などで塩分をとるとよいそうですが、体調不良を感じた際にはムリせず中断することが大切。中断した際も、すぐにふだん通りの食事をとるのではなく、回復食のステップを踏むことが重要です。

「本格的な夏が近づくこの時期は、ダイエットに力が入る女性も多いと思います。お風呂上がりに、ジュニパー、ブラックペッパー、ローズマリー、白樺など代謝を促す精油を使ったオイルマッサージをしたり、マルベリー、マテ茶など糖質の分解を促進するお茶を日常的に摂取するなど、週末断食以外にも気軽にとり入れられるホームケアはたくさんあります。
あとは、エアコンや冷たいもののとりすぎなど、冷えによる代謝の悪化を防ぐことも重要なポイントといえますね」

再びの新型コロナウィルス感染拡大の中で、週末も旅行やレジャーへ出かけるのは見送ったという人も多いでしょう。週末断食にトライして、自分磨きの時間に充ててみてはいかがでしょうか。

文／野田美香