セリは日本に古くから自生している野草。「春の七草」のひとつとして知られ、七草粥に入れて食べますが、東北地方では雑煮やきりたんぽ鍋などにも使われます。今回は、セリのさわやかな風味を楽しむ3つのレシピを紹介します。あく抜きなどの下ごしらえのコツもあわせて覚えましょう。
Contents 目次
香りの強いものを選び、乾燥を防いで保存
冬野菜のイメージが強いセリですが、実は夏の一時期を除き通年で出回っています。鉄、カリウム、β-カロテン、葉酸、ビタミンCが豊富です。
新鮮なセリは、ハリがあり、香りが強く、濃い緑色をしています。また、根が多く、茎との境目がくっきりしていて、茎が太いかどうかもチェックしましょう。保存するときは、湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。水分が抜けるとしなびてくるので、みずみずしいうちに使いきりましょう。
サッと加熱し、香りと食感を残す
セリは、おひたし、あえもの、天ぷら、汁ものといった、風味を生かしたシンプルな料理にするのがおすすめ。香りのアクセントとして、肉料理にもよく合います。
やわらかい葉は生食でき、サラダや薬味などでフレッシュなおいしさを味わうのも良いでしょう。風味が詰まっている根の部分は、天ぷらやきんぴらなどでいただきましょう。
セリの下ごしらえ
1. 根を水につけて泥を落とし、全体を流水で洗う。
2. 硬さが異なる葉、茎、根の部位ごとに、手で折って3つに分ける(包丁を使うとあくが出やすくなるため)。折った断面からあくが出るので、すぐに水にさらし、5分ほどおく。
3. 沸騰した湯で、茎は10秒ほど、葉はサッと通す程度に茹で、あくを抜く。すぐに水にとり、余熱が回るのを防ぐ。加熱しすぎるとビタミンCなど熱に弱い栄養素が失われるだけでなく、風味、食感、彩りも損なわれるので注意。鍋や炒め料理に入れる場合は、火を止める直前に加える。
セリのおいしさを再発見するレシピ3選!
さわやかな香りとシャキシャキの食感を味わう、おすすめレシピを紹介します。
セリとまいたけのお吸いもの(2人分)
材料
- セリ:2本
- まいたけ:1/3袋
- だし:300cc
- 醤油:小さじ1
- みりん:小さじ1/2
- 塩:少々
- セリは1~2cm幅に指で折る(飾り用に葉少量を残しておく)。まいたけは小房に分ける。
- 鍋にだしとセリを入れて温め、醤油、みりん、塩で味付けする。
- まいたけを加え、火が通ったら完成。器に盛り、飾りにセリの葉を添える。
セリの春巻き(10本分)
材料
- セリ:1束
- ピザ用チーズ:100g
- 春巻きの皮:10枚
- 揚げ油:適量(深さ2cm程度)
- 水溶き小麦粉:適量
- セリは根を落とし、たっぷりの湯でサッと茹でる。
- ザルに上げて冷まし、水気をしっかり絞り、1cm幅に指で折る。
- セリとピザ用チーズをあえて、1/10量ずつ春巻きの皮で巻く。巻き終わりに水に溶いた小麦粉を皮の端に塗って留める。同じものを10本作る。
- 170℃の揚げ油で、[3]を両面がキツネ色になるまで揚げる。
だまこ入り、まろやかトムヤムかやき(4人分)
「かやき」とは、秋田県で、季節の魚や山菜などを一緒に煮た家庭料理のこと。ご飯をつぶして団子状にした「だまこ」を使った、エスニック風の鍋です。
材料
[スープ]
- 水:300g
- チキンブイヨン(固形):1個
- うまみ調味料:10g
- 砂糖:10g
- しょっつる(ハタハタに食塩を加えて長時間発酵させたもの):20g
- レモン汁:20g
- 好みのきのこ(白まいたけ、フクロダケなど):適量
- セリ:適量
- エビ:適量
- イカ:適量
- だまこ(ご飯をつぶして団子状に丸めたもの):適量
- ライム:お好みで
- チリオイル(ナンプリックパオ):5g
- 鍋に[スープ]の材料を合わせて熱し、沸騰したらあくを取る。
- きのこ、セリは食べやすい大きさに切る。ライムはくし切りにする。
- エビとイカは細かく刻み、混ぜて団子状に丸める(団子にしなくても良い)。
- 別の鍋に湯を沸かし、[3]を湯通しする。
- だまこを作り、オーブントースターで焼き目をつける。※だまこの作り方はこちら
- 土鍋に[1][4][5]と、[2]のきのこを入れて熱し、火が通るまで煮る。
- 仕上げにセリをのせ、火を止める。
- チリオイルを回しかけ、ライムを飾る。
正しい下ごしらえでセリのおいしさはいっそう引き立ちます。炒めもの、揚げものなど、さまざまな調理法で香り豊かなセリを楽しみましょう。
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