皮のある野菜は、多くの場合が皮をむいて調理するでしょう。野菜によっては皮がかたかったり、あくがあったりしますが、丁寧に洗えば皮付きで食べられるものもあります。にんじん、かぶ、大根を例に、皮の有無(皮付き・皮むき)による栄養の違いと、皮付きの場合のおすすめ調理法を紹介します。
Contents 目次
<にんじんの栄養>ドレッシングをかければβ-カロテンの吸収率がアップ
にんじんはβ-カロテンを多く含みますが、皮付きのほうがβ-カロテン量が200μg(マイクログラム)ほど多くなります(可食部100gあたり)。
β-カロテンは、脂溶性ビタミンなので、ドレッシングをかけたり、油で炒めたりすることで、より吸収率がアップします。一方、にんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素も含まれています。これはすりおろすと活動が活発になるので、ジュースにしたりすりおろしたりする場合は、食べる直前におろしたり、レモン汁を加えたり、加熱するなどしてビタミンCが奪われるのを避けましょう。
●皮をむかずに使えるにんじん料理
きんぴら、浅漬け、サラダ など
<かぶの栄養>漬物などでカリウムを捨てずに摂る
かぶの根は、あくが少ないので下茹での必要もなくそのまま調理できます。体内のナトリウムを排出して塩分の摂りすぎを調節するカリウムは、皮むきよりも皮付きのほうが210㎎ほど多くなります(100kcalあたり)。
皮ごと食べるには、浅漬けや甘酢漬けなどがおすすめ。赤かぶを使うと、色合いも美しい漬物ができます。
●皮をむかずに使えるかぶ料理
漬物、サラダ、煮物、スープ など
<大根の栄養>皮ごと栄養が摂れる、大根おろし
大根の皮には、ビタミンCの吸収を助けるビタミン様物質(ビタミンに似た存在)の一種であるビタミンPが含まれます。大根の根の場合、皮付きと皮むきの主要栄養素の含有量を比べると大きな差はありませんが、カルシウム、葉酸、ビタミンCは皮付きのほうに多く含まれます。
大根の皮をむかずに食べるなら、大根おろしがむいています。そのまま生で食べれば、熱に弱いジアスターゼやオキシターゼといった酵素類も壊すことなく摂取できます。ただし大根おろしは、おろしたてに比べて、その20分後にはビタミンCが80%に減少するといわれていますので、食べる直前に作ることをおすすめします。
●皮をむかずに使える大根料理
大根おろし、切り干し大根、大根サラダなど
最後に
最近は、野菜を根から皮、葉先まで丸ごと食べることにも注目が集まっています。普段捨てていた部分の栄養を知るのも面白いものです。皮付き、皮むきを賢く使い分けて楽しみましょう。
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