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ストレスケアに役立つ栄養は? 食事管理アプリ「あすけん」の管理栄養士が教える、心を元気にする食事のコツ

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食事とメンタル

やる気が出なかったり、夜よく眠れなかったり…。食べ物の正しい選択は、メンタルケアにも必須です。幸せホルモン「セロトニン」をはじめとした脳内ホルモンの分泌を助ける技を駆使して、元気な毎日を手に入れましょう! AI食事管理アプリ「あすけん」の管理栄養士・道江美貴子さんによる著書「結局、これを食べるが勝ち - 国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 -」 からお伝えしていきます。

Contents 目次

メンタルを整えるための朝習慣は?

白湯を飲む OR バナナを食べるだったら…

朝の習慣

✕:腸が温まって血流が促進し、代謝アップには効果があるけど、栄養素は含まない…
◯:炭水化物、トリプトファン、ビタミン、ミネラルなどの心と体を元気にしてくれる栄養素が一度にとれる!

メンタルのケアは朝の習慣がカギ。特に朝食は体内時計をリセットして、脳を目覚めさせ、自律神経のリズムを整えて心身を健康に導いてくれます。

メンタルケアにはたんぱく質、ビタミン、ミネラルも関わっています。たんぱく質を構成するアミノ酸の一種、トリプトファンは幸せホルモン、セロトニンなどの脳内物質の材料となり、1日元気に過ごせるのです。朝、食事を作る時間なんてない!という人には、バナナもオススメです。バナナは炭水化物を含み、素早くエネルギーになります。さらに、トリプトファンとその代謝に欠かせないビタミンB6や神経の働きに必要なナイアシン、マグネシウム、赤血球の生成にも関わる葉酸を同時にとることができるのです。

バナナは夕方に小腹が減ったり、集中力や活力が減ってイライラしたりした際のリフレッシュにも適しています。

メンタルケアにはビタミン補給が必須

主菜や副菜の肉、魚、野菜に含まれる、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンCという4つのビタミンは、神経伝達物質を作る際に必要な栄養素。

どうも元気が出なかったり、落ち込みやすいときは、栄養不足になっている可能性も。ナイアシンやビタミンB6、葉酸は、セロトニンのほか、快楽ホルモンのドーパミンをつくる際に必要となる栄養素でもあります。ナイアシンが記憶力の向上に役立つという研究や、心の病気をもつ人は葉酸が不足しているという報告があるなど、神経伝達物質との関わりが深い栄養素として注目されているのです。

ナイアシンやビタミンB6は肉や魚など動物性の食品に多く含まれ、葉酸はレバーや緑色の葉野菜に多く含まれます。

【ポイント】
・朝食は脳内ホルモンの材料となるたんぱく質をとる
・脳内ホルモンの活性化にはビタミンやミネラルも必須
・葉酸はメンタルケアにも効果的

ストレス過多でくじけそうな朝…助けとなる朝ごはんは?

すぐ用意できるシリアル OR とりあえずみかんだったら…

朝ごはん

✕:牛乳をかければ脳内ホルモンの材料となるトリプトファンはとれるが、ビタミンCの補給には不向き…
◯:包丁要らずでビタミンCの摂取が叶うから、ストレスが多い日は必須!

ストレスを感じるなら積極的にとりたいのがビタミンC。ビタミンCは、ドーパミンがやる気ホルモンのノルアドレナリンに変換される際や抗ストレスホルモンを生み出す際にたくさん使われるので、ストレスが多い人は不足しがちなのです。最近ストレスを強く感じるなと思ったときには白湯にレモン汁を入れて飲んだり、キウイフルーツやいちご、柑橘類を毎日食べるようにしたり、意識的にビタミンをとりましょう。

ビタミンCが豊富なフルーツ

1日の推奨量は100mgですが、厚生労働省による令和元年の「国民健康・栄養調査」では、男女ともに1日のビタミンCの摂取目標100mgに対して、あと10~30mgほど足りていないということがわかっています。

みかん1個で25mg前後のビタミンCがとれるので、朝食と一緒に食べておけば最低でも1日の4分の1の量はクリアできます。そしてみかんは持ち運びもしやすく、包丁要らずで手で皮をむいて食べられるので、オフィスなど自宅以外の場所で楽しむおやつとしても最適です。

またビタミンCを大量に消費するのはストレスだけではなく、喫煙もそのひとつ。

喫煙も体内のビタミンCをたくさん破壊します。ストレスでタバコがやめられない人は、ダブルで消費されるため、危機的なビタミンC不足に陥っている可能性があります。朝食にフルーツを追加したり、夕食で赤パプリカやミニトマトなどの生野菜を食べたり、といった簡単な工夫でも摂取量は変わってきます。間食も活用しながら、ビタミンCの摂取量を増やしましょう。

食事や果物で足りない分は、サプリメントに頼ることを検討してみるのもよいでしょう。

【ポイント】
・抗ストレスホルモンの生成でビタミンCが失われる
・ストレスが多い人は通常以上のビタミンCが必要
・ビタミンCを失いやすい喫煙者は要注意

最近、眠りが浅い。食事でとるといいメニューは?

即席のコンソメスープ OR 即席のわかめスープだったら…

睡眠に役立つ食事

✕:温かいスープを飲むとリラックス気分を味わえるものの、睡眠の質に関わる栄養素はほとんどとれない
◯:わかめにはメラトニンの合成に欠かせないマグネシウムが含まれているので、安眠には最適!

安眠のカギは睡眠ホルモン「メラトニン」にあります。メラトニンは日が暮れ始める夕方から脳内で合成が始まり、分泌が徐々に増加。就寝時には大量に分泌されて深い睡眠に導いてくれます。わかめに含まれるマグネシウムは、このメラトニン合成に欠かすことのできない栄養素。ですから安眠のために食事でとりたいものはコンソメスープではなく、マグネシウムを効率的に補給できるわかめスープです。

マグネシウムはわかめなどの海藻類のほか、大豆製品、ごま、ナッツ類、バナナ、アボカドなどにも多く含まれていますので、積極的に食生活にとり入れてみましょう。

マグネシウムとカルシウムの摂取比率は1:2に

マグネシウムの推奨量

マグネシウムの代謝は、カルシウムととても深い関係にあります。

マグネシウムは筋肉や血液に存在しますが、多くは骨にあって、マグネシウムの不足や過剰摂取が起こると、体内のカルシウムも排出されてしまうのです。ですからマグネシウムとカルシウムをバランスよくとることが大切。摂取の比率は、マグネシウム:カルシウム=1:2が理想です。

2つの栄養素をバランスよくとるには、たとえばカルシウムが豊富なヨーグルトに、マグネシウムを多く含むバナナときな粉をトッピングしたり、納豆や豆腐、油揚げなどの大豆製品を1日1回とり入れる、味噌汁やスープに海藻をプラスする、おひたしや炒め物にすりごまをかけるといった方法も有効です。

【ポイント】
・メラトニンの合成にはマグネシウムが不可欠
・マグネシウムとカルシウムを1:2でとる
・アルコールはマグネシウムを尿中に排出しやすい

メンタルケアには何を食べるかも大事。ストレスがあるときは、いつも以上に食事に注意するとストレスのコントールも容易くなりそうです。ぜひとり入れてみてくださいね。

参考書籍/

書影

「結局、これを食べるが勝ち – 国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』公式 -」(ワニブックス)
Amazon:https://amzn.to/4465OgQ

著:道江 美貴子(みちえ みきこ)
食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士。女子栄養大学栄養学部卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の企業で健康アドバイザーを務めた後、2007年、新規事業の立ち上げメンバーとして株式会社askenに参画し、以後『あすけん』の企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。現在、株式会社asken取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。著書『なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?』(クロスメディア・パブリッシング)など。

AI食事管理アプリ『あすけん』
累計800万人以上が利用する、ダイエット や健康管理に必要な食事記録・カロリー計算・体重管理・運動記録などがまとめてできる無料アプリ。https://www.asken.jp/

文/庄司真紀

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