黒豆は大豆の一品種、でもその皮色にこそ痩せ力あり！

黒豆の別名は「黒大豆」。その色や大きさから違う種類の豆と思いがちですが、じつは大豆の一品種なのです。若いうちは枝豆と同じ緑色。収穫期になると葉だけを取り除き、さやに入った状態のまま畑で乾燥させます。この乾燥期間中に豆は丸くなり、色も黒へと変化するのです。
黒豆の基本的な栄養成分は大豆とほぼ同じといえますが、やはり決定的に違うのは、その黒皮に秘められたダイエットパワー。この色はアントシアニンと呼ばれる青紫色の色素によるもので、体内の脂質代謝をアップさせたり、脂質を体外に排出するのをサポートしたりすると考えられています。また、腸内で脂質が吸収されるのを抑える作用があるともいわれ、メタボ予防や脂肪燃焼の心強い味方となってくれるのです。

黒豆にはダイエットパワーがぎっしり！

アントシアニン以外にも、黒豆にはダイエットを手助けしてくれる栄養素＆成分がたっぷり。以下にまとめてみました。

＜大豆たんぱく質で脂肪にサヨナラ！＞

大豆や黒豆に含まれる大豆たんぱく質には、ほかの食べ物で取り入れた余分な脂質を体外に排出する作用があるといわれています。また、主要タンパク成分であるβ-コングリシニンが、内臓脂肪や中性脂肪を効果的に低減させるという研究も、最近発表されました。

＜食物繊維でドカ食い防止！＞

黒豆100ｇに含まれる食物繊維は6.3ｇ。食物繊維が多いというイメージの強いゴボウが100ｇあたり6.1ｇですから、その豊富さがわかります。
黒豆も含め、食物繊維が多い食べ物は、噛みごたえが抜群。食べていると唾液や胃液の分泌を促進するため、満腹感が得やすくなります。食事のスタートに数粒の黒豆をしっかり噛んで食べれば、ドカ食いや食べすぎを防止に役立つことでしょう。
また、黒豆の食物繊維は、水に溶けない性質をもつ不溶性食物繊維です。体内に入ると数倍から数十倍に膨れ上がり、腸の働きを刺激します。結果、腸内にある有害物質の排出が促され、頑固な便秘や、便秘による肌トラブルの改善が期待できます。

＜サポニンで脂肪を溶かせ！＞

サポニンは豆科の植物に多く含まれる成分。油脂を溶かす性質をもつため、腸で吸収したブドウ糖が脂肪と合体しないよう抑制し、脂肪がたまるのを抑える働きがあります。

＜ビタミンＢ１でむくみ防止！＞

ビタミンＢ１は、体内で炭水化物がエネルギーに変わる手助けをする成分です。摂取エネルギーの半分近くを、ご飯や麺などの炭水化物からとっている私たち日本人にとっては、欠かせない成分ともいえるでしょう。ビタミンＢ１が不足すると、炭水化物が十分に分解できず、疲労物質がたまるため疲れがちに。また、体にたまった老廃物もうまく排出できないため、むくみやすくなります。
乾燥させた黒豆30ｇには、0.25ｇのビタミンＢ１が含まれています。これは、30代女性が健康に過ごすために必要とされる、１日の摂取基準量の1/4程度。おやつ代わりに乾燥黒豆を食べれば、お腹も体も満足できそうです。

黒豆がダイエットに効果的なことは分かったけれど、毎日甘い煮豆を食べつづけるのはちょっと……という方もいることでしょう。
ですが、最近は黒豆のヘルシーさに注目が集まり、さまざまな食品が発売されています。黒豆納豆は大きめのスーパーなら簡単に手に入りますし、上記に挙げた乾燥黒豆も小腹がすいたときにはもってこいです。アントシアニンの水に溶けやすい性質を利用して、ココアやコーヒー、お茶としても販売されています。
ただ、食物繊維をとりたい場合は、飲み物よりも丸ごと豆を食べるメニューがオススメ。スープやカレーの具材としてもいいですし、パンケーキやパウンドケーキの生地に混ぜ込んでも楽しめます。

アントシアニンをはじめとする黒豆のダイエットパワーを、上手に取り入れていきましょう！

文／本間美加子