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その歩き方、「老け見え」してるかも…? ウォーキングのプロが伝授する、姿勢や歩き方のNGポイント
在宅ワークの増加とともに、猫背や巻き肩など姿勢のゆがみや、「体重が増えた」「二の腕や下腹がゆるんだ」などの体型への悩みを抱える人が増えているようです。姿勢のゆがみは体全体のバランスを乱し、体重増加の原因になるだけでなく、腰痛やひざ痛、肩こりにつながる可能性も。「50歳になっても健康的で引き締まった体でいるために、30〜40代から正しい姿勢を意識しましょう」と話すのは、ウォーキングのスペシャリストで、姿勢改善やダイエットに効く「3拍子ウォーク」を提唱する山口マユウ先生。今回、姿勢や歩き方のゆがみにつながるNGポイントをおうかがいしました。
Contents 目次
「ペンギン歩き」は姿勢のゆがみが原因
――姿勢の悪化というと、PCやスマホの使いすぎが挙げられますが、最近は在宅ワークも浸透しています。こうしたライフスタイルの変化は、姿勢や歩き方にどのような影響を及ぼしているのでしょか。
マユウ先生:自宅でのデスクワークが増えたことで、体重の増加や、下半身、二の腕、お腹のゆるみを感じている人が多いです。また、長時間のPC作業により、猫背や巻き肩、首が前に出てしまう「スマホ首」といった姿勢のゆがみも多く見られます。自宅だとデスクワークをするうえでは高さの合わない椅子やテーブルを使用しているケースも少なくなく、それも姿勢が悪くなる一因ですね。
背中が丸まり、骨盤が後傾した姿勢のまま歩いてしまうと、上半身を支えようとしてひざを曲げて歩くようになります。そうすると、脚全体が上がらず、無意識に歩幅が小さくなり、ペンギンのようなぺたぺた歩きになってしまうんです。この歩き方は老けて見えるため要注意ですよ。
――「体重が増えた」という悩みは、在宅ワークによる運動不足が原因なのでしょうか。
マユウ先生:運動不足による筋力の低下も要因として挙げられますが、座り姿勢が長く続くと関節がかたまってしまい、足が持ち上がらなくなるんです。また、背中が丸まってしまうことで胸筋が縮み、呼吸が浅くなります。そうなると脳への酸素供給が減ることで、自然と体の動きも小さくなり、体重が増えてしまいます。体重の増加は、関節のこりや、姿勢のゆがみも原因ということです。
靴の裏のすり減り具合で姿勢のゆがみをチェック
――自分の姿勢や歩き方のゆがみに気づくためには、どのようにすればよいでしょうか。
マユウ先生:ご自身の靴の裏を見てください。かかとの外側が極端に減っている人は、骨盤が後傾していて、うしろ重心になっている人です。また、すり足になっている人は、よくつまずいているため、つま先がすり減っているはず。
外を歩いているときは、意識的にショーウインドウに映る自分の姿勢をチェックしましょう。「偶然写真に写り込んだ自分の姿」を見るのも効果的です。理想は、「いつ写真を撮られても美しい姿勢」でいられること。写真やウインドウに不意に映りこんだ自分を見て、姿勢への気づきにつなげてほしいですね。
――「ラクな姿勢」でいるときこそが、本来の自分の姿勢ということですね。マユウ先生は、ご自身の姿勢を定期的にチェックされていますか?
マユウ先生:私は毎朝、うしろ姿を左右から鏡でチェックしています。うしろ姿は年齢が顕著に出る場所。しっかり鍛えて、「360度美人」を目指したいですね。
また、姿勢のゆがみを知るためにも、鏡で自分の肩の高さがそろっているかを確認してみてください。「側湾(そくわん)」といって、背骨が左右どちらかにゆがんでしまうと、右肩か左肩が下がっていたりします。
<正しく立つポイント>
●耳・肩・腰骨・くるぶしが一直線
●肩の高さをそろえる
●おへそを縦長にするようにイメージして重心を上へ
ゴルフなど片手だけよく使うスポーツをしている人も要注意。歩いているうちにスカートのウエスト部分が回ってしまう人も、姿勢や骨のゆがみが原因の可能性が高いです。立ち姿を正しく保てているかどうか定期的にチェックしてみましょう。
美しい姿勢への第一歩は「自分の姿勢のゆがみに気づくことから」と山口先生。次回は正しいスニーカー選びのポイントと、ウォーキングの効果を上げる事前のストレッチについてお伝えします。
参考書籍/
『医者が絶賛する歩き方 やせる3拍子ウォーク』(ダイヤモンド社)
取材・文/佐藤有香