体幹を鍛えれば、立つ、座る、歩くなど、日常の基本動作がスムーズに行えるようになるだけでなく、美しいボディラインも手に入ります。世界を舞台に活躍するなでしこジャパンのフィジカルコーチも務める、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬統一先生に、猫背、反り腰からくるぽっこりお腹の解消に効果的な体幹トレーニングを教えていただきました。
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体幹って、どこのこと?
体幹とは胸、お腹、背中、腰、お尻、つまり頭と腕と脚を除いた胴体すべてのこと。体幹力が弱いと、正しい位置で体を支えられないため、姿勢が悪くなって内臓の位置も下がり、不調を訴えがちになってしまいます。
「手足をどれだけ自由に動かしてもぶれない芯のある体には、しっかりとした体幹が不可欠。また、体幹力が強くなれば日常の基本動作もラクになって、ボディラインはもちろん、なにげない立ち居振る舞いも美しくなっていきます」(広瀬先生)
意識を変えるだけで体幹は簡単に鍛えられる!
体幹は背中の脊柱起立筋、お腹を覆う腹横筋、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋など、何層もの筋肉からなっています。体の中心部を筒のように覆っていて、まさに、木の幹のようなもの。幹がしっかりしていれば、どんな方向に枝が伸びても木全体を支えられます。
「『体幹はいくつもの筋肉によって構成された筒状の幹』と意識して、立ったまま片腕を前に出し、片脚をうしろに上げてみてください。常にお腹に力を入れ、体幹を筒状に保つイメージで腕と脚を上げれば、ぐらつかないはず。このように体幹の筋肉を意識するだけで、誰でも、どんなエクササイズを行っても、簡単に体幹は鍛えられるのです」(広瀬先生)
ぽっこりお腹の原因は猫背? 反り腰? あなたの体幹力を姿勢でチェック!
<チェック1> 壁の前にぴったり立ってみよう
横から見て、耳、肩先、腰の横にある出っ張った骨、ひざの横、くるぶしがほぼ一直線になっているのが理想の形です。
猫背タイプ:壁から肩が離れ、あごが前に出て、首が前に倒れている人
反り腰タイプ:お腹が前に突き出て、壁から大きく浮いてしまっている人
<チェック2> 足を肩幅に開いて両腕を上に上げてみよう
両腕をムリに上げず、自然に上がりきったところでストップ。両腕がしっかり上がり、耳からくるぶしまでが一直線になれば正しい姿勢です。
猫背タイプ:腕が耳より前で止まってしまう人
反り腰タイプ:腕は上がっても腰が反ってしまう人
<チェック3> ひざを立てて仰向けになり、腰の下に手を入れてみよう
手がちょうど入るくらいのすき間があれば正しい姿勢です。
猫背タイプ:手が入らない、手が入っても入れづらい人
反り腰タイプ:腰が床から大きく浮いて、手を入れてもすき間があく人
続いては、猫背タイプと反り腰タイプ、それぞれに合った体幹エクササイズの方法をお伝えします。