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顔をみるだけで、気をつけたい病気がわかる!? Twitterフォロワー15万人超の漢方家・櫻井大典さんが教える“顔をみるだけ”の漢方的おうち健診3
顔色と舌の状態をみることで自分の体調を知り、不調を改善していくことができると話す櫻井さん。実は顔をみると、その人がかかりやすい病気も明らかになるんです。とはいえ、怖がらなくても大丈夫。かかりやすい病気がわかるということは、予防のために今日から何をすればいいかもわかるということ。しかもご紹介する予防法は、日々の暮らしの中でゆる~く実践できる簡単なことばかりです。
今回は、書籍『漢方的おうち健診 顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)の著者で、Twitterでも大人気の漢方家・櫻井大典さんに、“顔をみるだけ”で病気を効果的に予防する方法を伺います。
Contents 目次
目をみるだけでわかる! あなたが注意したいのはこんな病気
人の顔の中でも、目は印象の強いパーツですね。目がきらきらと輝いていれば生命力が感じられますし、目がうつろだと体調が悪いのかなと心配になると思います。
さっそくですが、鏡で自分の目をのぞき込んでセルフチェックしてみましょう。以下のような異変はありませんか?
(1)白目の色が、黄色っぽい
(2)白目に充血がみられる
(3)目やにが気になる
(4)まぶたがむくんでいる
あなたは何番にチェックが入ったでしょうか。1~4からわかる気をつけたい病気と養生法は、以下の通りです。
(1)白目の色が、黄色っぽい
体の中に濁ったものと熱がたまっているサインです。日々のストレスをお酒で解消していませんか? お酒は濁りのもとになり、ストレスや怒りといった感情は熱のもとになります。悪化すると黄疸(おうだん)が出ることも。急に黄色くなった場合は、すぐに病院へ行きましょう。お酒は控えて、気の巡りを助ける「ジャスミンティー」を飲むのがおすすめです。
(2)白目に充血がみられる
体の中に熱がたまっているサインです。緊張や怒りなどの精神的ストレスがあったり、何時間もパソコンを見続けたりするなど目を酷使していませんか? または、普段からエネルギッシュな熱血タイプの人も目が充血しがちです。こんな人が高カロリーのものを食べ続けていると、脂肪肝や肝硬変など重大な病気につながってしまいます。エネルギッシュなのは悪いことではないですが、あり余る熱を「菊花茶やミントティー」でクールダウンさせましょう。
(3)目やにが気になる
体の中に不要なドロドロしたものがたまっているサインです。お酒、味の濃いもの、油っこいもの、甘いものを食べすぎていませんか。そのままの食生活では、肥満から高脂血症や糖尿病などの生活習慣病になるリスクがあります。お酒やジャンクフード、スイーツなどを控えつつ、体内の不要物の排出を助けてくれる「海藻類」を積極的に食べましょう。汗をしっかりかくような運動もおすすめです。
(4)まぶたがむくんでいる
水分のとりすぎか、胃腸が疲れているサインです。お酒はもちろん、ミネラルウォーターであっても飲みすぎればむくむので、思い当たる人は飲み物のとりすぎを控えましょう。また、ストレスや暴飲暴食で胃腸が疲れていても、むくみます。お腹からポチャポチャと音がしたり、軟便になったりするのはこのタイプ。まずは油っこいもの、甘いもの、辛いものを控えましょう。食生活を改めないと、気候の変化で起こる頭痛などの不調(気象病)に悩まされるようになりますよ。
ニキビは何色をしているかが判断のポイント
続いて注目するのは、ニキビ(吹き出物)です。甘いものや油っぽいものを食べすぎるとできるといわれたりしますが、中医学の望診(ぼうしん)ではもっと細かくみていきます。
ニキビができている人は、何色をしているかチェックしてみましょう。いまはできていないという人も、ふだんよくできるニキビの色を思い出してみてください。
(1)赤いニキビができる
(2)黄色いニキビができる
(3)紫のニキビができる
(4)白いニキビができる
あなたは何番にチェックが入りましたか。1~4からわかる体の中の状態と養生法は、以下の通りです。
(1)赤いニキビができる
熱がたまっているサインです。便秘がち、イライラしやすい、目が充血しやすいなどの症状もありませんか? くり返しできる人は食生活を見直しましょう。そのままでは生活習慣病に一直線です。油っこいもの、甘いもの、辛いものを控えたうえで、こもった熱や体内の不要物を排出してくれる「夏野菜」を食べましょう。
(2)黄色いニキビができる
熱と湿(余分な水分)がたまっているサインです。これは、赤いニキビがさらにひどくなり、体内の不要物が増えすぎて化膿した状態です。スイーツやスナック菓子を頻繁に食べていないでしょうか? ストレスが影響している可能性もあるので、赤いニキビの人におすすめの夏野菜に加えて、「かんきつ類」を食べましょう。スッキリした香りがストレスをやわらげます。
(3)紫のニキビができる
気血水の血(けつ)がドロドロに汚れているサインです。肩こりや頭痛がひどかったり、生理の経血にレバー状のかたまりがあったりしませんか? そんな人は、全身の血の巡りが悪くなっている可能性があります。婦人科健診を受けて、子宮筋腫や子宮内膜症がないかを定期的に調べることをおすすめします。血を補い、血流も促してくれる「黒米」を食べましょう。白米に少し混ぜて炊くといいですよ。
(4)白いニキビができる
熱がこもって、呼吸器系が弱っているサインです。のどや鼻が乾燥しやすい、よく咳き込む、風邪をひきやすいなどに思い当たりませんか? 当てはまる人は肺が弱っているかもしれません。加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、ふだん過ごしている部屋の乾燥を防ぎましょう。食材では、肺を潤わせる働きのある「山芋」を食べるといいですよ。タバコを吸っている場合は、禁煙することをおすすめします。
顔をみるだけで、もっと健康&きれいになれる!
今回は目の状態とニキビの色に注目しましたが、顔をみるだけで体の中の状態がわかることを実感していただけたでしょうか。最後にもうひとつ、中医学の望診ではこんなことまでわかるということをお教えしましょう。
先ほどは色でしたが、今度はニキビのできる場所に着目します。いつも同じような場所にニキビができる人はいませんか? この場合、体は不調のサインを発し続けているということです。
口の周りにできる
⇒胃の粘膜が炎症を起こしているサイン。胃痛や口臭につながる場合も。
鼻の頭、鼻の中にできる
⇒呼吸器が弱っているサイン。体内の乾燥が進むと便秘になる場合も。
あごにできる
⇒ホルモンバランスが乱れているサイン。婦人科のトラブルにつながる場合も。
このように、ニキビのできる場所でも、その原因と気をつけたい不調がわかるのです。小さなサインを見逃さず、ニキビをヒントにして体を整えていきましょうね。
毎日の天気が違うように、季節が移り変わるように、私たちも日々変化し続けています。どんなものを食べているか、どのくらい活動をしているか、ストレスの具合はどうか、さまざまなことが体に影響を与えています。そしてその変化が負担になっているとき、体は必ずサインを出して教えてくれます。そのサインをみなさんが読み解きやすい形でまとめたものが書籍『漢方的おうち健診』です。ぜひ『おうち健診』を毎日の習慣にして、現在の不調を治したり、病気を未然に防ぐことに役立ててください。
もっと詳しく知りたい人は、
『漢方的おうち健診 顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)
文/出雲安見子