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生理痛がひどい人は、食べ過ぎが原因のことも! PMS対策にもなる足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回は、毎月の生理痛にお悩みのモニターさんです。子宮や卵巣をケアし、PMS対策にもなる足刺激テクニックをご紹介します!
Contents 目次
足相の特徴は、消化器の働きが強いことを表す“土踏まずのきれいなアーチ”
今回のモニターは、鍼灸師をしている30代後半のTさんです。
Tさん:「生理痛の1~2日目が特にツラく、脂汗が出て仕事にならないときもあるほどです。また、腰痛やお尻の冷えも悩みです」
きよみ先生によると、Tさんの足相の特徴は、土踏まずのアーチが深く、きれいなカーブをしていること、だそうですよ。
●土踏まずのアーチが深い
きよみ先生:「あまりにも美しい土踏まずのアーチをしています! 土踏まずは消化器のゾーンなので、Tさんは消化器の働きが強く元気な人だと思います。だからこそ、食べ過ぎになりやすいのではないですか?」
Tさん:「あー、よく食べますね!」
きよみ先生:「消化器の働きがいいのは、生命力が強いことの証でもあるので、とてもいいことなのですよ。ところが、自分で『今日はこのくらいにしておこう』と決めておかないと、いくらでも食べられてしまうので、食べ過ぎに注意したほうがいいですね!」
Tさんの足相は体が元気なことを示していて、悪い足相はひとつもありませんでした。しかし、内臓の働きが元気だからこそ、逆に体に負担をかけすぎてしまうという場合があります。何事も無理は禁物ということがわかりますね!
生理痛がツラいのは食べ過ぎが原因の可能性も
Tさんの1番の悩みである、生理痛の原因についても伺います。
きよみ先生:「生理痛がお悩みということなのですが、足には生理痛のひどさを表す足相が出ていないのです。生理痛になる理由は、子宮や卵巣の調子の悪さや、ホルモンバランスの乱れなどいくつかありますが、そういったサインはなく、もともとの体質は生理痛が起きにくいタイプです」
Tさん:「生理痛は20代の頃からあります。生理の期間は1週間ほどですが、2日目が特にひどいです。お腹やお尻が冷えているせいもあるかもしれません」
きよみ先生:「子宮や卵巣に問題がないのに生理痛がひどい人は、毎月、生理前にしている行動が、生理痛の引き金になっているかもしれません。例えば、生理2週間前の排卵期に、外食が続きがちだとか、冷たいものを多く飲みがちだとかはありませんか?」
Tさん:「その時期は食欲に負けて、すごくよく食べているかもしれません! それこそ生理前は満腹中枢が壊れたのかと思うくらいです」
きよみ先生:「食欲が増してしまうのは、黄体ホルモンが活発になるのが原因ですね! 食べ過ぎると血液がすべて胃に集まってしまい、全身の血行が悪くなります。お腹やお尻に冷えを感じるのは、食べ過ぎが原因ですね」
Tさん:「なるほど! すごく腑に落ちた感じです」
きよみ先生:「Tさんのように消化器の働きが強い人は、体はとても元気でよく食べられるのですが、食べ過ぎると体が冷えやすくなり、それが生理痛を起こす場合があるのです」
直接、生理痛とは関係がなさそうな“食べ過ぎによる体の冷え”が、生理痛を悪化させてしまうこともあるとは驚きですね!
生理前の食べ過ぎを抑えるおすすめの食べものとは?
きよみ先生:「PMS(生理前症候群)の時期に食欲が増してしまうのは、以前にあった習慣を体が覚えていて、いまだにくり返してしまうせいということもあります。Tさんは若いころに体力が必要なお仕事などをしていませんでしたか?」
Tさん:「20代の頃に前職をやめて、鍼灸師の勉強をするために学校に通っていました」
きよみ先生:「鍼灸の勉強は体力も必要ですね。そのころは体力をつけるためにしっかり食べることが必要だったはずです。そして、大変な時期だったとは思いますが、毎日充実もしていましたよね。体はそのときの生活習慣を、正しい習慣として記録しているのでしょう。それを今もくり返そうとしているのです」
その記録をリセットするためにはどうしたらいいのでしょうか?
きよみ先生:「これからはその習慣をちょっとずつ変えていってあげましょう! 排卵後の時期に、肉や魚だけでなく、赤や黄色のはっきりした色の野菜を意識して多めに食べるようにしてみてください。赤身の肉や魚は黄体ホルモンの働きを刺激する食べものですが、赤や黄色の野菜は同じように黄体ホルモンを刺激するものの、過剰に分泌させることはありません。また、食べ過ぎても太ることはないので、たくさん食べても大丈夫です。トマトやニンジン、パプリカ、かぼちゃなどがおすすめですよ」
Tさんと同じように生理前に食べ過ぎになりやすい人は、色のはっきりした野菜を多めにとると、黄体ホルモンを過剰に刺激することなく、食欲が抑えられるそうですよ。
PMS期の食べ過ぎを抑える足刺激テクニック
今回は、生理前に食べ過ぎになりやすく、生理痛もある人におすすめの足刺激テクニックをご紹介します。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【胃のゾーンを刺激】
食べ過ぎによって負担をかけやすい胃の働きをサポートするために、足裏の胃のゾーンを刺激します。指の関節の角を当てるか、指圧棒の先でゴシゴシとこするようにして刺激しましょう。
●胃のゾーン
●胃のゾーンを指圧棒の先でゴシゴシと刺激
【親指の腹を刺激】
視床下部や下垂体などの脳のゾーンが集まっている親指の腹を刺激すると、ホルモンバランスが整い、食欲を抑える効果があります。指の関節の角を当てるか、指圧棒の先でゴシゴシとこすります。手のひらで親指を包み、もむように刺激してもOKです。
●親指の腹をゴシゴシと刺激
【かかとの外側(足の外側面)を刺激】
かかとの外側には卵巣のゾーンがあります。指の関節の角をグリグリと押し当てるようにして刺激します。排卵期を過ぎたころから生理前の期間に、ここをよく押して刺激すると、ホルモンバランスが整い、生理のトラブルを減らすことができます。
●かかとの外側の三角地帯(囲み線の内側)をしっかりと刺激
足刺激でさらに血色のいい足色に変化
足刺激が終わったあとのTさんの足相がこちらです。足刺激前には赤黒い色をしていましたが、足裏全体の血色がよくなって明るいピンク色へと変化していました。
●足刺激前
●足刺激後
最後に足相診断を受けた感想をTさんに伺いました。
Tさん:「元気な足!と言われてとてもうれしかったです。足を刺激することで、今以上に元気な状態の自分に出会えるかもしれないと思うとわくわくします! 赤い色の野菜が足りなかったことや、黄体ホルモンの影響で食欲が増すというお話が興味深く、とても勉強になりました。このあとの変化を楽しみに、足裏をしっかり刺激しようと思います」
いつも元気な人でも、気づかないうちに体に無理をしていることがあるかもしれません。足刺激で内臓への負担をセルフケアし、体の調子を整えてあげましょう!
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。