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女性の8割がPMS? 生理前でも変わらず過ごせる方法とは?【薬剤師監修】

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PMSで悩む女性

体は調子が悪いし、気分もよくない……。
みなさんは生理周期のたび、憂鬱になっていませんか? その症状は人によってさまざまで、仕方のないものだとあきらめている人も多いようです。
この記事では実際の体験談をもとに、PMSの解決策を薬剤師がご提案します。ぜひご覧ください。

Contents 目次

女性の約70~80%はPMS症状がある!

不調がちな女性

PMSは月経前症候群ともいわれ、日本では生理のある女性の約70~80%が、生理前に何らかの不調を経験するとされています。
PMSの原因のひとつだと考えられているのが、女性ホルモンの変動です。
人によって、精神的症状(情緒不安定、イライラ、抑うつ、睡眠障害など)や、身体的症状(腹痛、頭痛、むくみ、肌あれなど)がみられます。

薬剤師が聞いたPMS体験談

薬剤師のカウンセリング

あんしん漢方の薬剤師である中田さんは、PMSの相談をよく受けるとのことです。実際にあった2つの事例を紹介していただきました。

ゆかりさん (37歳・会社員)
「肌荒れとニキビで、メイクをする気が無くなります」
生理前は、必ずといっていいほど肌荒れとニキビに悩まされます。肌トラブルに効果がある美容液を試してみましたが、まったく改善しませんでした。メイクをする気にもなれず、1日中スッピンで過ごすことも多くあります。PMSの症状として受け入れるしかないのでしょうか。

智美さん (42歳・主婦)
「イライラがおさまらない……無意識に主人へ八つ当たり」
いつもと変わらず過ごしているつもりでも、生理前になると主人への当たりが激しくなってしまいます。言い方がキツくなったり、細かいことにイライラしたりして、自分でも感情のコントロールができないことに困っています。

女性ホルモンの乱れは漢方で内側から整えるのもおすすめ

漢方薬をつくっているイラスト

PMSに対しては、症状に合わせて治療薬で対応することがあります。たとえば、鎮痛剤や皮膚用ぬり薬、精神安定剤、睡眠剤などです。
「ただ、PMSの不調はいくつもの症状がでることが多く、治療薬での対応だとたくさんの薬に頼らなければならない場合もあります。

そのようなときには、婦人科でのPMS治療にも使われている、漢方薬がおすすめです。漢方薬は、PMSといった女性ホルモンの乱れなどによる、いくつもの不調を同時に改善することを得意としています。
また、漢方薬は体の根本からの改善を目的とするため、PMSを経験しない体質を目指すことも可能になるのです」(中田さん)

PMSでよく使われる漢方薬

それでは、どのような漢方薬が使われているか、症状別に具体例をみてみましょう。
また、PMSでお悩みの患者さんが、漢方薬を使ってどのように改善したのかもお伝えします。

<PMSの肌あれ>
月経前は、血流が悪くなり老廃物が体に溜まることで、皮膚トラブルを起こすことがあります。漢方薬は血流をスムーズにしたり、熱をとり除いたりすることでPMSの皮膚疾患に働きかけます。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまいなどがある人に

・温清飲(うんせいいん):体力中程度で皮膚はカサカサして色ツヤが悪く、のぼせ、ほてりなどの症状がある人に

ゆかりさん (37歳・会社員)
「薬剤師の方からおすすめされた漢方薬の服用をはじめて、ずっと悩まされていた肌トラブルが改善しました。鏡の前で顔を見るのもつらかったことが嘘のようで、毎日メイクをして出かけるのが楽しくなりました」

<PMSのイライラ>
漢方では、生理前や生理中はホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れると考えます。これがイライラなどの原因となるため、滞りなく巡行させる漢方薬を選びます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力中程度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状がある人に

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):体力中程度で腹部に膨満感があり、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがある人に

智美さん (42歳・会社員)
「漢方薬を飲みはじめてからは、『イライラすることが本当に少なくなったね』と主人から言われてうれしかったことを覚えています。同時に肩こりも解消されたので、今では憂鬱だった生理前の期間を前向きに過ごせるようになりました。夫婦仲も前以上によくなった気がしています」

漢方薬を選ぶときは専門家に相談を

このように、漢方薬は体全体のバランスを総合的に整えます。そのため、肌あれやイライラだけに限らず、PMSにみられやすい不調も同時に改善できるというメリットがあるのです。

しかし、正しく選ばれた漢方薬でなければ十分な効果がみられないだけでなく、副作用が生じることもあります。

たくさんある漢方薬のなかから、どれが合っているか見極めるのは大変ですよね。そのような場合は、漢方に精通した専門家に相談するのがおすすめです。最近では、漢方専門の薬剤師がAIを使いながら相談に乗ってくれるサービスもあります。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21133zd8fytt0001

体質改善で快適に過ごそう!

PMSの不調を当たり前だと思っている人が多いようですが、漢方では本来起こるべき症状ではないと考えます。体全体のバランスが整えば、女性ホルモンの変動に影響されることのない体質を目指せるからです。
PMSがなかなか改善されない人は、専門家に相談して漢方薬をとり入れるのもいい選択肢です。生理に左右されない快適な生活がきっと待っていますよ!

参考
・日本産婦人科学会 https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13
・漢方養生指導士 疾患別 漢方各論(薬日本堂漢方スクール)

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 中田 早苗
お薬最適化薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。
「生涯健康で楽しく」をスローガンに病気を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
また、「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーにお薬の選び方を広める活動も行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21133zd8fytt0001
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