☆虫歯・口臭予防：歯磨き粉としても使えるハチミツ。ハチミツの甘みの元であるブドウ糖と果糖は虫歯の原因にはなりません。むしろ殺菌作用が虫歯の繁殖を防ぎ、口内を保湿し、乾燥が好きな虫歯菌の増殖を抑えます。口内炎や口臭も防ぐ働きも。

☆美肌効果：ビタミン群やポリフェノールを豊富に含むハチミツには、皮膚の代謝を促進し、メラニン生成を抑制する抗酸化作用があります。

☆腸活：体の免疫細胞の7割が存在する腸内。ハチミツに含まれるグルコン酸は、腸内の善玉菌を増やし、免疫力をアップする働きがあります。

☆ダイエット：蜂蜜に多く含まれる果糖は、肝臓に送り込まれる糖の量をコントロールして、余分な糖が脂肪に変わるのを防ぎます。甘さは上白糖の3倍あるので、今までの砂糖の1/3の量で十分な甘さを確保できます。

☆ストレス緩和・安眠効果：ハチミツには、ストレスを和らげるセロトニンを分泌させる成分が豊富に含まれています。鎮静作用があるので、白湯やぬるめのカモミールティーと一緒に飲むことで睡眠の質を高めます。

ハチミツのおすすめの取り方

ハチミツの栄養素を効果的に取るために避けたいのが、温めすぎないことと金属製のスプーンを使わないことです。両者とも栄養素を壊す原因になるので、飲用する時は50度までの温度にとどめて、木製・プラスチック製のスプーンを使うと効率よく栄養素を取ることができます。

上質で種類が豊富なイタリアのハチミツ

養蜂が盛んなイタリアでは、色々な種類のハチミツがあり、スーパーでも5種類以上売られています。特徴に合わせてお料理やお菓子作りに使ったり、健康目的で摂取したりと、使い方も色々。殺菌効果の高さから実質消費期限がなく100年以上保存できる天然のハチミツは非常食にもなり、常備したい食品です。

ハチミツ消費スピードが異常に速い我が家では、程よい甘さで使いやすい百花蜜を愛用しています。イタリア語ではMILLEFIORI(千の花)という名前で、産地や標高などによって味が違うのも面白いところ。もう一つ常備しているタイプが、イタリアでも一番人気のアカシア。ハチミツの中で一番甘みが強く、喉風邪にも効果絶大と言われています。

ミラノの市場ではよく、養蜂農家さんが直売するお店がお目見えします。ある日のドゥオーモ広場のマーケットでは、ミラノから車で1時間ほどのイセオ湖エリアで作られている「LE DELIZIE DELL’ALVEARE」のハチミツが売られていました。

家族経営のこちらの農家では、大自然にハチを放牧して採蜜、非加熱のまま丁寧に瓶詰めしています。シャクナゲやヤマモモなど、貴重なハチミツも作っています。

一般的には結晶化が進んでいるほどブドウ糖含有量が多く、色が濃いほどコクがある傾向があるそうです。今回試した、LE DELIZIE DELL’ALVEAREの(左から)ヒマワリ、リンゴ、ユーカリのハチミツ。黄色が眩しいヒマワリは鮮やかな甘みで、お菓子作りやクセのあるチーズとの相性が抜群。リンゴのハチミツはリンゴの花やシードルを彷彿とさせる優しく華やかな味わい。ユーカリは甘さと塩味のバランスが絶妙で、複雑な香りと味わいで感動的な美味しさです。ハーブを使った料理やチーズと合わせるのがオススメだそうです。

天然のボトックス、ミツバチ毒の絶大な美容効果

ハチミツ以外に、プロポリスやミツロウなども、すでに私たちの生活に浸透しています。でも、ミツバチの毒「ビーベノム」の美肌効果を知る人はまだ少ないかもしれません。最近ミラノのハチミツ売り場でも見かけるようになったのが、ミツバチ毒を配合したスキンケアコスメです。英国王室のキャサリン妃がウエディングに向けてビーベノムのトリートメントを受けたことや、カミラ夫人の肌が若返ったことで注目度が上がり、コートニー・カーダシアンが愛用していることでも知られています。

APINFIORE SIEROVISO 20.3€／約2,900円(税込)
抗菌・抗炎症作用が高く、皮膚の再生を助ける効果が抜群に高いミツバチ毒。ニキビや肌荒れなど肌トラブルを80％以上改善しすることが実証されています。豊富なヒアルロン酸分解酵素で肌サイクルを活性化、天然のボトックスと言われるほど肌にハリが蘇ります。刺して毒を放出すると命を落としてしまうミツバチですが、ハチの命を奪うことなく毒だけを採取して製品化しています。

このように、ハチが作り出す多くのものが私たちに恩恵をもたらしてくれます。ハチミツの世界も想像以上に奥が深く、これからもっと勉強したいなと思います。

文／太田 菜穂

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