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眠れない、落ち込みやすい。心が弱りやすい更年期不調には快眠できる「ゆる薬膳」がおすすめ!
心も体も30代の延長と思っていたのに、40代になると更年期のさまざまな不調に悩まされるようになったという人も多いのでは? そんな人こそ食べて養生する「薬膳」をとり入れてみましょう。更年期症状に多い心の不調は、落ち込み、不眠、不安感。これらが強い人は、生命活動の中心をなす五臓の中の「心」が弱い可能性が大。薬膳アテンダントの池田陽子さんに教えていただく心を強くする食材を使った手軽な薬膳で、マイナスに傾きがちなマインドをプラスに転換!
Contents 目次
「心弱りタイプ」はどんな人?
五臓の中の「心(しん)」は心臓の意味もありますが、文字通り心=精神状態をつかさどります。
心弱りタイプの人は、ものごとをネガティブにとらえがちで不眠などの症状が強く出ます。
「心は血液と血液の循環を担います。心臓から全身に血液を送りだすのが仕事なので、機能が低下すると動悸や息切れ、さらには狭心症や心筋梗塞などの病気につながることもあります」(池田先生)
心はまた意識や思考、感情をコントロールする役割もあり、心が弱るとささいなことで落ち込み、それが高じてうつ状態になったり、不安感につきまとわれたりも。
うっかり忘れやもの忘れが多いのもこのタイプに多い症状です。
「日中の失敗や心配ごとに落ち込み、それによって眠れなくなり、翌日またミス…といった負のスパイラルに陥ってしまう人も多いよう。
睡眠不足は心の弱りに拍車をかけてしまうので、リラックスして眠りにつきやすくなるような瞑想やヨガなどを、就寝前に試してみるのもおすすめです」
心がもっとも弱りやすいのは夏。
「睡眠不足と並んで、情緒の激しいアップダウンも心弱りに拍車をかけます。
興奮したり激しく落ち込んだり、といったことはできるだけ避けるのがベター。
特に調子が悪いときは、心に波風を立てないように意識するのが有効です」
心を強くする「鳥や豚のハツ」
弱った心をいたわる食材の代表は、ハツ(心臓)、れんこん、ゆり根、カキなど。
「ハツは鶏でも豚でもOK。自宅では食べ慣れない食材かもしれませんが、焼き鳥屋さんなどで手軽に食べられるので、外食時には積極的に選んでほしいです。
れんこんは心を強くして精神を安定させ、眠りへ誘う働きがあるとされています。
不安や落ち込みが強い人はゆり根もおすすめ。生もありますが乾燥タイプもあり、どちらでもOKです」
心を強くして更年期症状を改善するには、これらと腎(じん)を強化する食材を組み合わせます。
「腎パワーアップ食材の中では、カキやあさりがメンタル不調と不眠に効くとされています。
またココナッツもおすすめ。ココナッツは心の働きをサポートするほか、筋肉や骨を強くする働きもあり、更年期の女性にはぜひ食べてほしい食材です。
薬膳の代表的な食材であるナツメも精神安定に効き目のある果物。ナツメを乾燥させた大棗は生薬として使われています。
中華食材として干したものが売られているので、汁物や煮物に入れてみても◯」
「腎トレ」+「心を強める」おすすめレシピ
カキのスクランブルエッグ
精神を安定させるパワーを秘めたカキを、心を強くする働きのある卵でふんわり包んだスクランブルエッグ。
ボリューミーなのでおかずとしてはもちろん、にんにくとオリーブオイルを効かせた味はおつまみにもピッタリ。
【材料】(2人分)
カキ燻製缶(60g)…1缶
卵…4個
<A>
にんにくのすりおろし…少々
牛乳…大さじ1
オリーブ油…適量
塩…適量
こしょう…適量
パセリ(みじん切り)…適量
【作り方】
(1)ボウルに卵を入れて溶きほぐし、塩、こしょうをふる。缶汁をきったカキ、<A>を入れて混ぜる。
(2)フライパンにオリーブ油を入れて熱し、(1)を入れて、へらで大きく混ぜながら火を通し、半熟になったら器に盛る。仕上げにパセリを散らす。
ダブルれんこんスープ
弱った心に効くれんこんを、スライスとすりおろしのダブルで投入!
ぶどうを干したレーズン、白い食材の牛乳を使って、腎と心をいたわりながら体も温まるスープに。
【材料】(2人分)
れんこん(皮をむいて半量を薄切り、半量をすりおろす)…100g
ベーコン(細切り)…3枚
レーズン…大さじ1
水…1.5カップ
固形コンソメ…1/2個
牛乳…1カップ
バター…5g
塩・こしょう…適量
【作り方】
(1)フライパンにバターを熱し、ベーコン、れんこんの薄切りを入れて炒める。
(2)(1)に水、コンソメ、れんこんのすりおろし、レーズンを加えて5分煮る。さらに牛乳を加えて温め、塩、こしょうで味を調える。
外食ならカキフライやカキ鍋などがおすすめ。
居酒屋ではれんこんのきんぴら、筑前煮、あさりの酒蒸し、オムレツなどもおいしい。
コンビニにはおでんの卵や卵サンドなど卵を使った食品が豊富にあります。れんこんチップスやカキの燻製缶など、おつまみ系でも心弱りをケアできる食品がいろいろありますよ。
撮影/安井真喜子 取材・文/遊佐信子 スタイリング/井口美穂