エスニック料理にかかせない野菜、パクチー。パクチー料理専門店もオープンし、スーパーなどでも簡単に入手できるようになりました。独特の香りが人気の秘密ですが、じつは栄養素的にもなかなか優秀な野菜といえるようです。むくみ解消や貧血改善にも効果があるパクチーの効能とおすすめレシピを、管理栄養士の安中千絵先生にお伺いしました。
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むくみ解消、美肌づくり、貧血予防。パクチーは女性の味方!
パクチーはセリ科の1年草。乾燥させてスパイスとされるほど、香りの高い野菜です。日本料理には使われてこなかった食材ですが、最近の消費量の増大にともない、国内での栽培量も増えています。
そんなパクチーの健康効果は以下の3つが挙げられます。
健康効果その1 むくみ解消
「パクチーは、余分な塩分を排出してくれる効果があるカリウムを多く含んでいます。和食中心の生活はどうしても塩分が高くなりがちなので、パクチーを食生活にとり入れるのはよい知恵ですね」(安中先生)
また、カリウムには「むくみ」の原因である皮膚組織内に必要以上にたまった水分を排出してくれる働きも。パクチーを食べれば、体の内側からスッキリできるというわけですね。
健康効果その2 美肌効果
βカロテンが豊富に含まれているのもパクチーの特徴です。
「βカロテンは強い抗酸化力をもつ栄養素です」(安中先生)
抗酸化力とは、体内で発生する有毒物質である活性酸素から細胞を守る力のこと。パクチーは、老化を早め、動脈硬化やガンを誘発する活性酸素に対抗すると期待され、研究が進められています。
「βカロテンは、美肌づくりや目の働きを正常に保つ効果があります。また、ガンをはじめとするいろいろな病気の予防にも効果があるのではないかと期待されています」(安中先生)
βカロテンには免疫力をアップさせる効果もありますので、風邪やインフルエンザ対策にも力を発揮してくれそうです。
健康効果その3 貧血予防&改善
「毎月の月経で血液を失う女性は、貧血になりやすい傾向があります。パクチーには鉄分も多く含まれていますので、女性の健康にはおすすめの野菜、ハーブですね」(安中先生)
パクチー100gあたりに含まれる鉄分は1.8mg。鉄分が多く含まれる野菜のイメージがあるほうれん草にひけをとりません。
パクチーの別名はコリアンダー、香菜とも
スーパーでパクチーを探したけど、見つからなかった! という人もいらっしゃるでしょう。発見できなかった理由は「パクチー」を探していたせいかもしれません。パクチーはタイ語ですが、英語ではコリアンダー、中国語では香菜、カタカナ表記でシャンツァイ、シャンサイとじつに別名が豊富。お店で探すときに意識しておくと見つけやすくなりますよ。
パクチーを使ったおすすめレシピ2選
サラダや生春巻きのイメージが強いパクチーを、もっと幅広く使いたい! という人のために、安中先生おすすめのレシピを2つご紹介します。
●パクチー水餃子
【材料(1人分)】
水餃子(市販品)…5個
パクチー…10g
・水餃子のタレ(醤油、酢などをお好みで)
【作り方】
(1)パクチーは2cm程度に刻む。
(2)水餃子をパッケージの説明にしたがい茹でる。
(3)ゆで上がった水餃子に(1)を加え、タレをかけていただく。
水餃子とパクチーの相性は抜群。餃子の餡から手づくりする場合は、刻んだパクチーを加えるのもおすすめですよ。
●もやしとパクチーのナムル
【材料(2〜3人分)】
・パクチー…1束
・もやし…1袋
・ごま油…適量
・塩…適量
【作り方】
(1)パクチーをもやしと同じくらいの長さに切る。
(2)鍋に適量の水を入れ、もやしを加え、沸騰するまでゆでる。
(3)茹で上がる直前にパクチーを加え水を切り、ごま油と塩で味をととのえてできあがり。
どちらも3ステップでできる簡単レシピです。
ぜひ、パクチーの健康パワーを食生活にとり入れてみてくださいね。
文/本間美加子