お肉の料理が人気ですが、お肉はたんぱく質が豊富であるだけに、よく食べるともっと健康になれるイメージもあります。ダイエットのために炭水化物を避けているという人も、お肉なら大丈夫と思うこともあるでしょう。そんなお肉ですが、よく食べていると、ある目の病気を減らしてくれる可能性があるようです。日本の研究グループが研究結果を発表しています。
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日本人の失明の原因第1位
このたびお肉と目の病気の関係を報告したのは旭川医科大学の研究グループ。その目の病気とは「緑内障」です。
緑内障とは、目の内部を循環している「房水」と呼ばれる液体がうまく流れなくなることで起こる病気。目にある神経にダメージを与えてしまい、視力に悪影響を与えてしまうのです。日本眼科学会によると、日本において失明の原因の第1位が緑内障。目が見えづらくなったときには、誰しも気をつけたい病気と言えます。
ただ、緑内障の原因はまだはっきりとはわかっていません。これまでの研究では、緑内障を防ぐためには、禁煙したり、野菜やフルーツをとったりすることが大切だと報告されてきました。
今回、研究グループは、日本人において緑内障を防ぐためにどのようなポイントに気をつければよいかを突き止めるため、およそ1500人を対象とした調査を実施しました。
緑内障と関係ある可能性から、生活習慣病である糖尿病と高血圧が調べられたほか、生活習慣として、1日に歩いている時間、喫煙、ふだん食べている食品(コーヒー、紅茶、アルコール、フルーツ、お肉、魚)、身体測定の結果なども調べられました。
お肉を食べる頻度と関係あり
詳しい分析をしたところ、女性の中でもお肉を週に食べる回数が少ない人に緑内障が多いという結果となったのです。男性ではそうした関連は見られませんでした。血圧や糖尿病、喫煙、食べるもの、身体測定の結果などにも、目の健康にとって悪そうなものもありましたが、今回の分析においてお肉以外の条件との関連性は証明できませんでした。
お肉を食べる頻度の違いが病気と関係しているというものです。緑内障になっていた女性は、そうではない女性と比べると、平均して週にお肉を食べる回数がほぼ1日だけ少ないという結果です。緑内障の女性は平均1.7回、緑内障ではない女性は2.7回。その差はわずかではありますが、お肉を食べる頻度が高いと、緑内障の危険性は39%減るという結果となりました。
研究グループはさらなる研究が必要かもしれないものの、お肉を含めたバランスのよい食事をとることが緑内障の危険を下げてくれる可能性があると説明しています。
<参考文献>
PLoS One. 2018 Oct 2;13(10):e0204955. doi: 10.1371/journal.pone.0204955. eCollection 2018.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30278082
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181220-OYTET50023/