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バナナとヨーグルトを食べるだけ! いま注目のインフルエンザ最新予防策
気温がグッと下がり、全国的にもいよいよ冬本番。そうなると、気になるのがインフルエンザの流行です。すでに猛威をふるうインフルエンザですが、今シーズンの流行は例年より早かったため、年末年始にピークが訪れる可能性があります。この冬を元気に過ごすために、インフルエンザなど感染症の対策のカギとなる「免疫力アップ」について、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生にお話を伺いました。
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■気温の急激な変化がストレスとなり、免疫力が低下
「今年は秋が短く、急に冬がやってきたことで、インフルエンザの流行が早いですね。気温の急激な変化は体にストレスを与えますから、免疫力が低下してしまうんです。気候が体にもたらす影響はとても大きいんですよ」と小林弘幸先生。
流行しだす時期が早いことで、今シーズンは年末年始にピークが重なってしまうおそれもあるといいます。
「年末年始は生活リズムが乱れるだけでなく、暴飲暴食をしてしまいがち。すると腸にストレスがかかって腸内環境が悪化し、一気に免疫力が落ちてしまいます。また、内臓が疲れると自律神経の働きも低下するので、血流が悪くなり体内に栄養がめぐりません。これらのことが、体をインフルエンザにかかりやすい状態にする一因になってしまうのです」
■インフルエンザ対策の基本は「食と睡眠」
では、どのようなことを心がけて、インフルエンザの流行時季である年末年始と、まだまだ続く冬を過ごせばいいのでしょう。
「手洗いやうがいといった基本的な予防に加え、やはり大事なのは食と睡眠です。年末年始といえば会食が増える時期ですが、『おつきあいのため』だからと、誘われたすべての集まりに出席し、会食メニューを口にしていたら、やっぱり胃腸は疲れます。また、アルコールは脱水症状を招きますから、とりすぎると自律神経が乱れやすくなり、胃腸の働きを低下させます。優先順位をつけて出席を判断したり、出席しても『今日は飲食を控える日』と決めることで、胃腸への負担をやわらげましょう。
あわただしさから睡眠時間も不足してしまう時期ですが、せめて睡眠の“質”は保ちたいところ。睡眠前に入浴やストレッチで深部体温を上げる、寝る3時間前までに食事を済ませる、寝る前にスマホ画面を見ない、といった生活を心がけ、質のいい睡眠で自律神経を整えましょう」
これらのちょっとした心がけによって腸内環境の状態を良好にする、自律神経の乱れを整えることが免疫力の向上にプラスに働き、インフルエンザ対策にもつながるということです。
■おいしくて続けやすい方法で免疫力を高め、罹患しにくい体作りを
最後に、「手軽で続けやすい」免疫力アップにおすすめのメニューを教えていただきました。
「おすすめなのは、ヨーグルトにバナナを加える『バナナヨーグルト』です。
バナナは、水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよくとれるほか、善玉菌のエサとなるオリゴ糖を含むため、ヨーグルトと組み合わせることで腸内環境を整える効果をさらに高めてくれます。ほかにも、細胞を元気にするマグネシウム、セロトニンの材料となって精神を安定させてくれるトリプトファンも含まれています。
どんな対策も継続することが大事ですが、手間がかかることはなかなか続きません。バナナは手軽に手に入りますし、皮をむくのも簡単。『バナナヨーグルト』は、腸の働きを整えて免疫力を高めるための、続けやすくて手軽な1品です。味に変化をつけるためにはちみつをかけて食べるのもおすすめ。1日1回200g程度のヨーグルトにバナナを1本加え、朝に食べることをぜひ習慣にしてみてください」
ちょっとした意識や習慣、手軽な食品をとり入れて免疫力を高めておき、インフルエンザの流行シーズンを元気に乗りきりましょう。
撮影/我妻慶一 文/馬渕綾子