CASE14
もともと旅行が好きで海外へ行くことが多いのですが、時差ボケがツライくて…。なるべく軽く済む方法が知りたい！

小林先生のお答え
滞在初日＋2日目は光に注意。食事は日本時間をベースに

出かける前に睡眠不足を解消して

時差ボケ対策のスタートは、まず日常の睡眠不足を解消することから。睡眠不足で海外へ出かけると、時差ボケの症状が強く現れることがわかっています。出発前日に徹夜して飛行機に乗るのは、最悪なので気をつけて。
その上で、事前に睡眠時間を少しずつずらしておくのが効果的なのですが、ずらし方は行き先によって異なります。例えば、“日時”はロンドンが日本より8時間、ロサンゼルスは16時間も遅いですが、“時刻”の差だけを見るとロサンゼルスは日本より8時間早いとも言えます。ですから、ヨーロッパなど日本より西側へ行くなら遅寝遅起きに、ハワイやアメリカなど日本より東側へ出かけるなら早寝早起きにシフトするのです。コツはいきなり1時間ずらすのではなく、毎日10分、15分と少しずつずらしていくこと。
また、冬は日の出が遅くて早寝早起き型にシフトするのはなかなか難しく、本当はハワイやアメリカに出かけるのは夏場がオススメです。一方、生活時間を後ろにずらすのは、季節を問わずそれほど苦労しません。ですから、ヨーロッパへ行くときはあまり事前の調整にこだわらなくても大丈夫で、おそらく初日からアクティブに行動できるでしょう。

ハワイでは朝ヨガより夕暮れヨガを

ハワイやアメリカなど日本の東側で快適に過ごすには、まず、初日や2日目はなるべく屋内で見学したり遊んだりする予定を組みましょう。午前中に外を移動する際はサングラスを忘れずに。日本の早朝や朝の時間に合わせて外に出かけ、光を浴びると体内時計のリズムが前へとシフトしやすくなります。
もしも、ハワイのビーチで朝7時からヨガを体験するとなると、日本時間では夜中の2時。こんな時間に光を浴びては、体内時計のリズムは逆に後ろにズレやすく、ますます現地に合わせにくくなってしまいます。朝ヨガ体験は3日目以降にするか、夕暮れ時のサンセットヨガにするのが、正しい時差ボケ対策です。

短い滞在なら、食事のリズムは日本のままで

もうひとつ大事なのは、1か月間滞在するなら、自分の体内時計を現地に合わせようとしてもいいですが、たった1週間の滞在では合わせることが難しいということ。時差ボケで感じる大きな不調は気持ち悪さや吐き気など、太陽の光の明るさ、暗さと消化活動のリズムがズレることで起こるものです。消化活動は変化に時間がかかって、すぐに現地時間に対応できません。だからこそ、食事のリズムは基本的に変えないように心がけると、帰国したときにすこぶる快調なのです！

まず、夜に出発するフライトであれば搭乗前に夕食をとって、日本の夜8時、9時に出される機内食は食べず、映画も観ず、いつもの就寝時間にライトを消して寝る態勢に入ります。そこからは、日本時間に合わせて朝昼晩の食事をとります。
ハワイであれば、朝食は日本の深夜なので基本的に食べず、お腹が空いたら軽くヨーグルトでも。ランチは朝ごはんのつもりできちんと食べて、17時ぐらいに昼食としてしっかり食事をしましょう。そして、22時ごろのごはんは軽めに済ませて休みます。
こうして帰りの便も日本時間で過ごせば、空港に着いてグッタリすることもありません。せっかくの旅行なら元気よく楽しんで、出張であれば冴えたパフォーマンスを発揮して、異国の地でよい思い出を作ってください。

取材・文／宮下二葉