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人生でいちばん会話をする相手は自分自身! 脳科学者が教える「脳内トーク」のすごい力とNGな口ぐせとは?

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吹き出しを持つ女性

ダイエットや仕事など、少しだけ生活や自分自身を変えたいと思うことありますよね。近年、さまざまな研究で証明されているのが、人を変えるのは、意志やメンタルの強さだけではなく、“言葉の力”。よい言葉はポジティブな影響をもたらしてくれます。今回は、脳科学者の西 剛志さんの著著『世界一やさしい 自分を変える方法』よりお伝えします。

Contents 目次

人生は使った言葉の集大成でできている

言葉を発する子ども

朝起きてから眠りにつくまで、私たちがもっとも会話している相手は、ほかならぬ「自分自身」です。1日に平均1万6000〜4万6000語を話しているとされていますが、自分との対話については1日で何千回から何万回も行っていると考えられています。ちなみに米国の研究では、脳内で話す言葉は、声に出す言葉よりも10倍以上も速い人がいて、1分あたり4000語以上も話していることがわかっています。

「私は脳科学者として、ビジネスからスポーツ、あらゆる分野で成功しやすい脳になる方法や仕組みを多くの企業や個人に提供してきました。にもかかわらず以前は、自分でも嫌になるほど自分が好きではなく、言葉にも無頓着。悩みも多く、あまり幸せではない人間でした。変わるきっかけとなったのが30代前半での難病の発症でした。闘病生活はかなり苦しいものでしたが、“自分から自分の脳に言葉をかけること”を通して、約半年で病気を克服する経験をしたのです。その経験からこれまで15年ほど脳と言葉の研究をしてきました」(西さん)

脳内トーク

人はなぜ「脳内トーク」をするのかというと、それは困難を乗り越えるため。困難に遭遇するほど、「脳内トーク」が増えるということがわかっており、脳は困難を乗り越えるために、「脳内トーク」を利用して集中力を高めていると考えられています。

そのほか「脳内トーク」には以下のような効果があるとされます。

集中力を高めることができる/セルフコントロール力を向上できる/短期記憶力(ワーキングメモリ)を高めることができる/モチベーションを上げることができる/頭がよくなる/思考を深めたり、思考を広げたりできる/ストレスを和やわらげることができる/行動を変えることができる/決断力を上げることができる/仕事のスピードが上がる/創造力を高めることができる/人とのコミュニケーション力が上がる/幸福度が高まる(自信が高まる)/自分を理解できる/ゴールを明確にできる/人に影響されなくなる/緊張をエネルギーに変えることができる(短所が長所になる)/前向きな意識を手に入れられる

口ぐせを変えれば、人生は自ずと変わっていく

よい言葉と悪い言葉

集中力や幸福度は前向きな意識となり、人生にまで大きな影響をもたらします。一方、うまくいかない人を対象とした研究では、こうした脳のよい変化を止めてしまう「脳内トーク」があることもわかっています。気をつけたい3つの言葉をご紹介しましょう。

●「わからない」
「この言葉を発した瞬間に、脳は思考停止します。かなり危険な言葉です。実際に課題解決ができない人にインタビューすると、心のなかで“わからない”という言葉を頻繁に言っている傾向があります。“わからない”と言った瞬間に、もう脳は“考えなくてもよい”と認知してしまうため、それ以上考えなくなってしまうのです」

「わからない」は使わない。もし、実際にわからないときは「そうですね」や「それは大切な課題です。解決する方法としては、いくつかの可能性があるかもしれません」と回答し、思考を止めない習慣を身につけることが大切です。

また逆に、もしあなたが話を聞く側なら、「もしわかるとしたら、どんな方法があると思いますか?」のように、“仮定型の脳内トーク”を使うと、脳はわかることを前提に考えようとするため、解決策が出てくることがあります。

●「できない」
これも言った途端に思考が停止してしまう「フリーズワード」です。
人はすべてのことをできるわけではないのですが、それでも、「できない」と言った瞬間に、脳はできない状態をイメージするため、そこで思考がフリーズしてしまうのです。

「うまくいく人の多くは、“できない”という言葉をほとんど使わない傾向があります。たとえ“できていないこと”に対してもそうです。研究でも“自分はできない”というグループは、“自分はできる”というグループよりもパフォーマンスが下がるそうです。できないではなく、できる理由を探していくことが、うまくいくカギになります」

●「知っている」
この言葉を使ってはいけないというのは、少し意外かもしれません。でも、これもうまくいかない人ほど使っているNG「脳内トーク」です。

「“ああ、それはもう知っている”と思った瞬間に、脳はこれ以上学習する必要はないと判断して、思考を停止してしまうのです。うまくいく人たちが総じて謙虚なのは、“知っている”という言葉が自分にとってマイナスであることを、意識しているか無意識かはわかりませんが、わかっているのです。知っていると思った話も、最後まで聞いてみる姿勢をもっています」

うまくいく人たちは口にしない、こうした「脳の変化を止めてしまう言葉」。ひどいネガティブワードではないものの、脳内にはよい影響がないことがわかります。意識的に発しないようにしていきたいですね。

文/庄司真紀

 

参考書籍/
『世界一やさしい 自分を変える方法』(アスコム)

『世界一やさしい 自分を変える方法』(アスコム)

著者/西 剛志

西 剛志

東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめとして累計31万部を突破。

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