手軽に使えて安く手に入れることのできるさば缶が、最近話題となっています。お財布に優しいうえに、体にもやさしく栄養価が高いことも、その人気の秘密です。骨までやわらかく調理されているので、生のさばを食べるより栄養価が高いという意見もあるようです。そんなさば缶の栄養やさば缶を使ったダイエット法、おすすめの食べ方などについて、詳しくご紹介していきます。
Contents 目次
なぜ「さば缶」が人気なの?
魚の缶詰にはさまざまなものがありますが、その中でもさば缶は、栄養豊富で幅広い味が楽しめ、料理のアレンジもしやすいことから、人気を集めています。そんなさば缶では、よく知られている水煮缶やみそ煮缶のほかにも、いくつかの種類の缶詰が販売されています。
・水煮缶
水煮というと、なにも味つけをしていないように聞こえますが、塩で味つけがしてあります。塩のみのシンプルな味つけなので、さまざまな料理にアレンジしやすいのが特徴です。また、調味料は塩だけなので、カロリーも控えめで、健康のためにさば缶を食べたい人に人気です。
・みそ煮缶
一般に、さばといったらみそ煮のイメージが強いでしょう。みそ煮缶は、そんなさばのみそ煮をそのまま缶詰にしたものです。みそ煮なので、塩のほかにみそや砂糖などの調味料が使われていて、水煮缶よりはカロリーが高いものの、そのままでも十分におかずになるおいしさです。
・そのほかの味つけ缶
さば缶には、じつはさまざまな味つけの缶詰が販売されています。しょうゆ味やネギ塩だれ、西京焼きや大根おろし煮など、バラエティーに富んでいて、オリーブオイル漬けやレモンバジル味など、洋風に味つけされたさば缶も人気が高いようです。
人気の理由は以下の5つ
(1)価格が安い
さば缶といえば、一般的には100円から200円くらいで購入できるので、惣菜や生のさばを買うより安く手に入れることができます。一方で、人気上昇にしたがって、高価なさば缶も話題となっているようです。
(2)缶を開けるだけですぐに食べられる
忙しい現代では、魚の下処理をしたり、魚の骨を取りながら食事をしたりするのが、面倒に感じる人も多くなっているようです。そのためか、日本人の魚の年間消費量は下降の一途をたどっていますが、缶を開けるだけですぐに食べることができ、骨までやわらかく煮込んであるために骨ごと食べることのできるさば缶は、売り上げを伸ばしています。
(3)栄養価が高い
さば缶の栄養価が高いことは、メディアでも取り上げられ、生の魚よりもよいともいわれています。特に、中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐなど、健康への関心の強い中高年にとってうれしい効果が高いので、これも人気の理由となっています。
(4)ダイエット効果がある
さば缶にダイエット効果があるというのも、メディアで取り上げられ、人気の高まるきっかけとなりました。
(5)アレンジがしやすい
普段の料理の材料として、アレンジがしやすいのも、さば缶の人気の秘密です。特に水煮缶は、調味料に塩しか使われていないので、さまざまにアレンジしやすく、ヘルシーで人気となっています。
さば缶の栄養成分と効果効能は?
青魚が体によいというのは、聞いたことがある人が多いでしょうが、その中でもさば缶は、水揚げしてすぐに真空調理されるので、さばに含まれるDHAやEPAといった栄養素が酸化することなくそのまま詰め込まれます。
また、骨までやわらかく調理されているので、さばの栄養成分を丸ごと食べることができます。さば缶に含まれる主な栄養成分には以下のようなものがあります。
・EPA(エイコサペンタエン酸)
体内では合成されない必須脂肪酸のひとつです。DHAと同様に、中性脂肪の低下や血液をサラサラにしてくれる働きがあります。さばのほかに、いわしやまぐろなどにも含まれます。
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
必須脂肪酸のひとつで、わずかにEPAから変換されますが、変換率が低いことから、DHAをそのまま摂取することも大切です。母乳に多く含まれる成分で、子どもの発育に必要であるほか、血液をサラサラにしてくれる働きや、抗酸化作用などがあります。脳の栄養としても知られています。さばのほかに、ぶりやいわし、サンマなどにも含まれます。
・ビタミンB2
皮ふや粘膜を健康に保つ働きや代謝に関係する栄養素で、不足すると、口内炎や口角炎などを引き起こしやすくなり、子どもだと成長障害を起こすともいわれます。さばのほかには、レバーやうなぎ、牛乳や卵、豆類などに含まれています。
・ビタミンB6
皮ふや粘膜を健康に保ち、たんぱく質から、エネルギーや筋肉、血液などが作られるときに働きます。不足すると、湿疹などの皮膚炎や口内炎、貧血などが起こります。さばのほかには、かつおやまぐろ、レバーやバナナなどに含まれています。
・ビタミンB12
葉酸と一緒に、赤血球の中のヘモグロビンを生成する働きや、脳からの指令を正常に伝達する神経を健康に保つ働きがあります。欠乏すると貧血などを起こします。さばのほかには、魚介類のカキや、レバーなどに含まれています。
・ビタミンD
小腸や腎臓で、カルシウムとリンの吸収を助け、血液中のカルシウム濃度を保つ働きがあります。丈夫な骨を作るのに欠かせないビタミンです。さばのほかには、きのこ類や卵などに含まれています。
さば缶の持つ健康効果がすごい!
さば缶には健康のためにうれしい栄養成分が多く含まれ、健康効果は非常に高いといえます。主な健康効果には、以下のようなものがあげられます。
・生活習慣病の予防
DHAやEPAには、コレステロールを抑え、中性脂肪を減らす効果があることから、生活習慣病を予防する働きがあります。
・ダイエット効果
EPAには、運動時に体脂肪の減少を促す効果があり、糖を代謝させる働きのあるホルモンであるGLP-1の分泌を促進させる効果があります。また、代謝に関わるビタミンB群も多く含まれているので、やせやすい体作りを促します。
・血液や血流を正常に保つ
DHAやEPAには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化を予防する働きがあります。また、血管拡張作用や貧血を予防するビタミンも含まれているので、血液や血流を正常に保ってくれます。
・骨や歯の健康を保つ
さば缶に入っているさばは、骨までやわらかく調理されているので、骨ごと食べることができます。このため、カルシウムやマグネシウムなど骨の生成のもととなる栄養成分も丸ごと摂取でき、さらにビタミンDがカルシウムの吸収率を上げてくれます。
・ストレスに耐える力を保つ
脳の栄養として知られているDHAや、神経機能を正常に保つビタミンが含まれているため、ストレスに耐える力を保つ働きがあります。
さば缶を使ったダイエットのポイント
上述したように、さば缶にはダイエット効果もありますが、そのためのポイントをご紹介しましょう。
・ダイエットのために食べるのなら水煮缶を選ぶ
美容とダイエットのために食べるのなら、水煮缶を選びましょう。水煮缶が最もカロリーが低く、みそ煮など、そのほかのさば缶だと、糖分が多く含まれているため、ダイエットには向きません。また、水煮缶は料理にアレンジしやすいため、飽きにくいので、続けやすい点でもおすすめです。
・1日1缶まで
ダイエット効果のあるさば缶ですが、栄養価が高く、カロリーも低くはないので、食べ過ぎるとカロリーオーバーや栄養過多になってしまいます。1日1缶を目安にしましょう。
・食物繊維も一緒に食べる
EPAは、食物繊維と一緒に摂取すると、糖を代謝させる働きのあるホルモンであるGLP-1の分泌をより促進させることができます。このため、ダイエットでさば缶を食べるのなら、食物繊維の豊富な食品と組み合わせて食べることをおすすめします。
・運動もする
さば缶のダイエット効果は、ダイエットサポート効果といってもいいので、さば缶を食べたからといってそれだけでやせるわけではありません。糖の代謝がよくなることから、体脂肪を燃焼しやすい体になるので、ウォーキングや軽いジョギングなどの、有酸素運動を組み合わせておこなうことで、よりダイエット効果が得られます。
次のページではさばを使ったアレンジレシピをご紹介します。