今回のお悩み

糖質制限ダイエット中なので主食を抜き、糖質が多い野菜や調味料も避けています。
体重は落ちてきたのですが、以前より疲れやすくなり、肌の調子が悪くなってきたんです…。
私のダイエットのやり方は、間違っているのでしょうか？

よかれと思って実践しているダイエット法が逆効果になることも

こんにちは。ダイエットトレーナーの小山圭介です。

世の中にはさまざまなダイエット法がありますが、効果があると言われている方法が必ずしも自分の体質に合うとは限りません。実践してみて、「疲れやすくなった」「肌の調子が悪くなった」「便秘になった」「イライラしやすくなった」など、何らかの不調が出るようであれば自分の体質に合っていない可能性があります。

ダイエットは、体重を落とすためだけではなく、健康な体になって幸せな人生を送るためにすること。それなのに、体調を崩してしまっては意味がありませんよね。また、自分に合うダイエット法というのは、ムリなく楽しく続けられるものです。

たとえば、次の３つの項目に思い当たることはありませんか？　一見ダイエットによさそうなことですが、ムリをして続けているようであれば、やせにくい体を作ってしまうかもしれません。

にんじん、トマト…糖質が多い野菜は少量でも一切食べない

間食の糖質を減らしたり、夕食の主食を控えめにしたりすることで体重が落ち、体調がよくなる人もいます。しかし、厳しい糖質制限を長期間続けている人の中には、疲れやすくなり、肌の潤いが失われて活力がなくなっている人も見られます。

１日３食の主食を抜き、さらに「糖質が多い野菜だから、少量のにんじん、トマトも食べない」「みりん、酒は糖質が多い調味料だから使わない」というように細かく気にし過ぎるとストレスがたまるのではないでしょうか。

三大栄養素のひとつの糖質は、体を動かすエネルギー源の柱となる栄養素。主食を大盛りにしていれば、糖質のとり過ぎにつながるので量を減らす必要がありますが、「朝昼は主食をとって、夜だけ主食の量を控えめにする」など量に気をつければ、ムリなく体重を減らせます。

また、野菜や調味料の糖質量は主食よりも少ないので、気にし過ぎる必要はありません。野菜からはビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素がとれ、ダイエットや美肌作りを助けてくれますよ。

糖質を減らしていても、揚げものなど脂っこいおかずを多くとっていれば高カロリーになり、やせにくくなります。糖質だけにフォーカスするのではなく、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとれているかどうか、全体を見ることが大切です。

野菜のスムージーの置き換えダイエットを何食も続ける

食事を「野菜のスムージーに置き換える」「野菜サラダだけにする」といった極端に摂取カロリーを減らす方法を何食も続けると、栄養素が不足してしまいがちです。

食事の栄養が足りないと食欲が増し、間食の回数が増えてやせにくくなるケースがあります。菓子類（スナック菓子、洋菓子など）は糖質や脂質が多く、たんぱく質、ビタミン、ミネラルはあまり含まれないので食事の代わりにはなりません。

また、食べものをよくかむことによって脳の満腹中枢を刺激できますが、食事を野菜のスムージーだけにした場合、咀嚼をしないことになるので満足感を十分に得られず、すぐお腹が空いてしまうことも。

食事の置き換えダイエットは、食べ過ぎたあとにカロリーを調整する一時的な方法。何食も続けるのは避け、主食、主菜、副菜のそろったバランスのよい食事を基本にしましょう。

コンビニでヘルシーなお惣菜を選べば、自炊しなくていい

野菜サラダ、サラダチキン、具だくさんスープ…コンビニには一見ヘルシーそうなお惣菜がたくさんありますね。コンビニは忙しいときには便利ですが、健康的にダイエットするには自炊を習慣化するのが理想です。

市販のお惣菜は、原材料の表示を見るとさまざまな食品添加物が使われていることがわかるはず。また、濃く味つけされているものもあり、日常的に食べていると塩分・糖分が多い食べ物を求めるし好から抜け出せず、ダイエット後にリバウンドしやすくなります。

自炊を習慣化して塩分・糖分控えめの味に慣れると、コンビニのお惣菜の味が濃く感じ、ヘルシーなし好に。それが、リバウンドしにくい、健康な体作りにつながるのです。

忙しい人にとって自炊をするのはハードルが高いかもしれませんが、調理に手間をかけなくても大丈夫。

たとえば、レタスをちぎり、ミニトマトのヘタを取り、かいわれ大根の根もとを切って器に盛れば、３分もかからずサラダができ上がります。鶏むね肉、鶏ささみをゆでて作り置きしておけば、サラダなど料理にたんぱく質を足すのも簡単ですよ。

ダイエットは長期的に見て健康にやせられる方法を選ぶことが大切。実践してみて体調がよくなったか、楽しく続けられるかにも注目してみてください。

取材・文／掛川ゆり