ベッドに入っていざ眠ろうとすると、ふくらはぎや足の裏など、ひざから下の部分がむずむずするような、あるいは足の中を虫がはうような感覚や火照るような感じがして眠れないという経験はありますか? 今回は男性より女性に多く見られる「むずむず脚症候群」について睡眠コンサルタントの友野なおさんに教えてもらいました。
Contents 目次
脚がむずむずして眠れない人必見! 原因と対策法
ベッドに入っていざ眠ろうとすると、ふくらはぎや足の裏など、ひざから下の部分がむずむずするような、あるいは足の中を虫がはうような感覚や火照るような感じがして眠れないという経験はありますか?
下記5つの項目に当てはまるか、チェックしてみましょう。
(1)脚を動かさずにはいられない衝動があり、多くは脚の不快な感覚を伴う、あるいは脚の不快な感覚が原因となっている。
(2)脚を動かさずにはいられない衝動や不快感は、横になったり座ったりして安静にしている間に始まったり増悪したりする。
(3)脚を動かさずにはいられない衝動や不快感は、歩行やストレッチなどの運動によって、少なくとも運動している間は、部分的あるいは完全に改善する。
(4)脚を動かさずにはいられない衝動や不快感は、夕方~夜間にのみ起こるもしくは増悪する。
(5)この状態が、ほかの睡眠障害、内科・神経疾患、精神疾患、薬物、物質使用障害によるものではない。
じつはこれ、「むずむず脚症候群」と呼ばれ、脚の表面ではなく、内部に不快な異常感覚が生じる疾患なのです。脚を動かしたり歩いたりすると症状が緩和されますが、動きを止めると症状が出てしまうので、海外では「じっとしていられない」という意味から「レストレス・レッグス症候群」と呼ばれています。
むずむずするような不快症状は夕方から夜間に現れることが多いため、入眠や熟睡を妨げ、睡眠障害の原因になり得ることも。夜間にぐっすり眠れないことにより日中に耐えがたい眠気が起こり、結果としてQOL(生活の質)が著しく低下するといった悪循環に陥ってしまうことがあるのです。
むずむず脚症候群は、男性より1.5倍も女性に多く、また、年齢を重ねるほど発症する人が多くなるという指摘があります。この背景には小児期より症状が見られ、家族歴が高率にみられるという特徴がある遺伝子関与によるケースと、妊娠などによって現れるケースがあり、妊娠を契機に出現した場合は出産後に改善することが多いです。
また、鉄欠乏、カフェインのとり過ぎ、アルコール類の飲みすぎ、タバコのニコチン過剰摂取、激しい運動による肉体疲労なども原因として考えられます。お酒やタバコ、カフェイン飲料の摂取を控え、レバーやひじき、ほうれん草などといった鉄分が豊富な食材を進んでとるようにすることが効果的な対策です。
さらに、筋肉疲労を残さないように、毎日就寝前にゆっくりと両脚をマッサージしてあげることもよいでしょう。自宅での対策も行いつつ、睡眠日誌をつけて自分の行動や睡眠のパターンを把握することも改善対策のひとつとしておすすめなので、ムリのない範囲で行ってくださいね。それでも症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。