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CATEGORY : ヘルスケア |腸活

マスク自由化で気になる口臭。これからは胃のケアで対策する時代!? 2週間、胃のケアにとり組んだ驚きの結果をレポート!

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多くの人がひそかに気にしている口臭。気づかないうちに、もし、におっていたらと思うと不安ですよね。中医学では胃の不調も口臭の原因のひとつになると言われています。実際、胃に負担をかけない食生活を2週間送ると、口臭や体調はどう変化するのでしょうか。気になる口臭レベルの変化とともにレポートします!

監修 : 山口 りりこ (薬剤師・国際中医師・国際薬膳管理師)

株式会社kampo lab代表取締役
薬剤師・国際中医師・国際薬膳管理師
体質改善サロンの漢方薬店kampo's、食からの健康を提案する食良品店FOOD LAB築地を運営。
漢方・薬膳の魅力を多くの方に伝えるべく、漢方メディアの運営、コラム執筆、企業の漢方薬膳プロデュース・監修など多方面に活動。

Contents 目次

自覚はないけれど…。胃の調子を整えたほうがいいのは、ズバリこのタイプ!

揚げ物を好んで食べたり、のどがやたら乾いたり、眠りが浅い女性の清書イラスト

口臭というと、虫歯や歯肉炎などお口の中のトラブルが原因かと思いきや、なかには胃の不調によるものもあるそう。教えてくれたのは、薬剤師で国際中医師の資格をもつ山口りりこさんです。
「胃の不調にはさまざまありますが、中医学で『胃熱』に分類される人に、口臭が表れやすいと言われています。このタイプは胃に熱がこもりやすく、たとえれば火事が起こっているような状態になります。飲んでも飲んでも渇きが満たされず、その結果、口臭や口内炎といった症状が表れ、尿も少なく濃くなります。お酒を飲む方は経験があると思いますが、飲み過ぎた翌日に、ラーメンやカレーなど味の濃いものを食べたくなるのも『胃熱』のせいです。本来ならおかゆなど胃に負担をかけないものがよいはずですが、胃にこもった熱により脳が勘違いを起こした結果の食欲なのです」

まずは、あなたが胃熱タイプかどうかチェックしてみましょう!
下記をチェックしてみて、2つ以上当てはまれば胃熱タイプです。
□揚げものを週に3回以上食べる
□ストレスが多く、外食が多い
□飲酒の習慣がある
□のどが渇きやすい/水分をとっても、あまり渇きが満たされない
□食欲が旺盛である
□口内炎ができやすい
□歯を磨いているときに、歯ぐきから血が出る
□寝つきが悪い
□トイレに行く(排尿)回数が1日5回以下である
□尿が少なく、色が黄色っぽい

胃を“ブラックな労働環境”から解放してあげよう! 胃に負担をかけない食生活と食習慣とは?

胃にやさしい食材(白い食べもの、くだもの、ゆずなど)清書イラスト

胃熱は、生まれつきの体質というよりも食事の影響が大きいため、胃に負担をかけない食事に変えることで、食欲、口臭、口内炎、のどの渇きなどそれに伴う症状も改善できるといいます。
「まず行ってほしいのは、胃熱の原因となる、加熱した油や体がカッと熱くなるような辛いものやスパイスなどを避けること。特に、焼き肉、韓国料理、タイ料理などは要注意です。どうしても食べたいときは昼食でとるようにしましょう」

避けたい食材、料理
・加熱した油:揚げもの、炒めもの、焼き肉など
・体が熱くなるもの:唐辛子、にんにく、こしょう、花山椒など

その一方で、胃熱を改善するために、積極的にとりたいのは胃を冷やし潤す食材だといいます。代表的なのはジューシーな果物、白い食材、苦味のあるものです。
「白い食材のなかで特におすすめなのが、消化を助ける作用もある大根やかぶです。基本的にはそのまま食べてOKですが、冷たいものは胃の機能を低下させることがあるので、冷えや疲れが気になる場合は温かい緑茶など、温めて食べるとよいでしょう。ゆずやみかんなどの柑橘類も胃の機能を助けてくれる作用があります」

おすすめの食材
・ジューシーな果物:りんご、みかんなど
・白い食材:大根、かぶ、ヨーグルト、豆腐、白菜など
・柑橘類:ゆず、みかんなど
・苦味のあるもの:にがうり、セロリ、緑茶など

また、胃熱タイプの人は食欲旺盛で、日頃胃を酷使している場合が多いので、意識して胃を休め、負担をかけないことが大切、と山口さん。
「食習慣もポイントになります。下に挙げたような食習慣を実践して胃の負担を軽くしてあげましょう。2週間続けると、体調に変化が表れてくると思います。大切なのは、1回、胃に負担をかける食事をとってしまったとしても、そこでやめないこと。その後2日ほどかけてリカバリーすれば大丈夫です」

胃の負担を軽くする5つの食習慣
1、腹八分目
2、迷ったら“消化のよさそうなもの”を選ぶ
3、よくかむ
4、夕食は寝る3~4時間前に終わらせる
5、胃の調子が悪いと思ったら夕食を抜き、12~15時間、胃に固形物を入れない

胃熱タイプの人が、胃に負担をかけない食生活を2週間試してみた!

口臭を引き起こしやすいと言われる胃熱タイプ。FYTTEでは、先にご紹介した胃熱のチェック項目で2つ以上チェックがついた方々にモニターになっていただき、ヨーグルトを食べるなど胃に負担をかけない食生活を2週間送っていただきました。そのうちの4名について、実際、口臭や体調がどう変化したのかをレポートします。体調については、胃熱タイプチェックリストでチェックがついた項目と自分で気になるもの(体重、体脂肪率、便秘など)について観察してもらいました。
※口臭はタニタの「ブレスチェッカーEB-100」で、起床直後あるいは飲食後1時間ほど空けて測定。0〜5までの6段階で判定しています。

・外食が多くなりがちな、ろみさん(30代)の場合
・揚げものが多かった、木ら木らさん(50代)の場合
・スパイシーな食事や飲酒の習慣があった、きらきらみるるさん(40代)の場合
・お腹いっぱい食べることが習慣だった、MMさん(40代)の場合

外食が多くなりがちな、ろみさん(30代)の場合

ドリンクタイプのヨーグルト活用で、間食を抑える効果、便通や寝つきの悪さの改善を実感!

ドリンクタイプのヨーグルト活用レシピ

胃熱タイプのリストで4つのチェックがついた、ろみさん(30代)。チェックがついたのは次の項目でした。
「ストレスが多く、外食が多い/食欲が旺盛である/口内炎ができやすい/寝つきが悪い」

2週間のまとめ

【口臭レベル】
開始~13日目:レベル3(強いにおいを感じる時がある)

14日目:レベル2(においを感じる)

【体調の変化】
・1週目は生理周期の影響か+0.4kgだったが、2週目に体重が1㎏減。
・のどの渇きが減った
・小さな口内炎が大きくならなかった
・寝つきがよくなった
・食欲に大きく変化はなかったが、ヨーグルトをとることで甘いものへの欲求が満たされ、暴飲暴食を少し防げた
・便通がよくなった

【食生活で気をつけたこと】
・にんにくや刺激物、揚げものを控え、白い食材(白菜や豆腐)を意識してとった。
・いつもより夕食の量を控え、自炊を心がけた
・ドリンクタイプのヨーグルトを毎日活用した。

どうしても職場での食事や外食が多くなるという、ろみさん。胃にやさしい食生活を完璧にできなくても、ヨーグルトを毎日とるという習慣を実践するだけで、間食を控えるのに役立ち、口臭、便通や寝つきの改善も! 手軽さという点ではドリンクタイプの活用を考えるのもよさそうです。

揚げものが多かった、木ら木らさん(50代)の場合

揚げもの禁止。白い食材&早めの夕食で口臭も体調も改善!

木ら木らさんの食事

胃熱タイプのリストで6つのチェックがついた木ら木らさん(50代)。チェックがついたのは次の項目でした。
「揚げものを週に3回以上食べる/ストレスが多く、外食が多い/のどが渇きやすい/食欲が旺盛である/口内炎ができやすい/寝つきが悪い」

2週間のまとめ

【口臭レベル】
スタート時:レベル4(強いにおいを感じる)

2~9日目:レベル1(弱いにおいを感じる)

10~14日目:レベル0(においを感じない)

【体調の変化】
・8日目に体重が1㎏減り、そのままキープ。
・のどの渇きが減った
・2週間、口内炎にならなかった
・寝つきがよくなり、朝スッキリ起きられるようになった。
・お通じが改善されつつある
・朝、スッキリ起きられるようになった
・気持ちが軽くなった

【食生活で気をつけたこと】
・夜は寝る3時間以上前に食事を終えるようにした
・揚げものを控え、豆腐、かぶなどの白い食材、果物を積極的に活用。
・食後のデザート(アイスやお菓子)をヨーグルトに置き換えた

それまであまり意識していなかったけれど、口臭レベルが高くて驚いたという木ら木らさん。揚げものが多かったという食事内容を改めて、口臭も体調も改善! デザート代わりのヨーグルトで、体重や便通にうれしい変化というおまけがついたのがよかったですね。

スパイシーな食事や飲酒の習慣があった、きらきらみるるさん(40代)の場合

「薄味は、そのうち慣れる!」アルコールもやめて口臭レベルゼロに

きらきらみるるさんの食事

胃熱タイプのリストで6つのチェックがついたきらきらみるるさん(40代)。チェックがついたのは次の項目でした。
「飲酒の習慣がある/のどが渇きやすい/食欲が旺盛である/口内炎ができやすい/歯を磨いているときに、歯ぐきから血が出る/寝つきが悪い」

2週間のまとめ

【口臭レベル】
開始~13日目:レベル1(弱いにおいを感じる)

14日目:レベル0(においを感じない)

【体調の変化】
・体脂肪率が1週目で0.5%減、2週目で0.7%減(トータルで1.2%減)
・寝る前の、のどの渇きが減った
・2週目には薄味に慣れてきて食欲が落ち着いた
・モニター期間中、口内炎にならず、歯ぐきからの出血もなかった
・胃の不快感が減った

【食生活で気をつけたこと】
・にんにく、コショウ、唐辛子などスパイシーなものをとるのをやめ、薄味を心がけた
・アルコール、コーヒーを控えた
・ゆでる、蒸す、焼くなど調理法に気をつけ和食中心の食事をよくかんで食べた

今までこんなに香辛料を使う料理をしていたのか、と改めて気づいたというきらきらみるるさん。アルコールやコーヒー、スパイス類を徹底してやめ、和食メニューで薄味を心がける食生活に切り替えて、口臭はレベル0に。「薄味は、最初はもの足りなくてもそのうち慣れる!」この実感は参考にしたいところです。

お腹いっぱい食べることが習慣だった、MMさん(40代)の場合

スパイス代わりのトッピング、「油はかける」の実践で「腹八分目」を習慣化

MMさんの食事

胃熱タイプのリストで3つのチェックがついたMMさん(40代)。チェックがついたのは次の項目でした。
「食欲が旺盛である/口内炎ができやすい/歯を磨いているときに、歯ぐきから血が出る」

2週間のまとめ

【口臭レベル】
1~7日目:レベル2(においを感じる)

8~14日目:レベル1(弱いにおいを感じる)

【体調の変化】
・4日目で体重が0.6㎏減。その後キープ
・起床時の、のどの奥の違和感(何となく変な味がする)が減った
・お通じの(1回の)量が増えた
・げっぷが減った
・10日目で胃のスッキリ感を実感した

【食生活で気をつけたこと】
・腹八分目を心がけ、ひとまず箸を置くようにした
・白い食材(山いも、れんこん、白菜、大根、豆腐、ヨーグルト)を食べた
・揚げもの、炒めもの、スパイスを控えた

「じつはモニター実施前にたまたま行った健康診断で、胃炎+軽い逆流性食道炎にかかっていることが判明したんです」というMMさん。それまで不調を感じていなかったものの、胃に負担をかけない食生活を送ることで胃がスッキリし、胃の調子のよさを実感。のどの奥の不快感も減少して、口の中の不快感と胃の調子は関係があるのかも…と感じたそうです。

いかがでしたか? 胃熱タイプと診断されたモニターの方々の実際の口臭レベルはそれぞれでしたが、食生活を変えることで一定の効果はあったようです。それに加え、体重や体脂肪率、便通、寝つきの改善などにうれしい変化も! これまでの食生活を振り返り、自分の体と向き合うきっかけになったという声も聞かれました。

みなさんもぜひ、まずは胃熱タイプかどうか、チェックを行ってみてください。自分の食生活が胃に負担をかけているとわかったら、ぜひ、胃の負担を減らす工夫を今日から心がけてみてくださいね。

取材・文/野上郁子  イラスト/たなかのりこ

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