CATEGORY : ヘルスケア |食事・栄養
緊張や不安で心が疲れたら…!? 管理栄養士がすすめる“メンタルバランスが乱れたときこそ、食べてほしいもの”
新生活のはじまりには緊張や不安がつきもの。でも慣れない環境でストレスが続くのは、メンタルバランスにとっても好ましくありません。このようなストレスを感じるのは、私たちの脳。その脳の働きを支えているのが、食事を通じて私たちの体に入ってくるさまざまな栄養素です。食べることは脳にとっても大切なのですね。
では、“メンタルが不安定だな”と感じたときに、どんなものを食べるといいのでしょうか?ご自身が考案した“食べてやせて健康になるダイエット法”で数々のベストセラー本を執筆しながら、企業の特定保健指導や病院の臨床研究における栄養療法の監修など、多方面で活躍している管理栄養士の麻生れいみ先生にお話をうかがいました!
Contents 目次
■体をつくるたんぱく質は、心にも大事な栄養素
「忙しかったり生活リズムに慣れなかったりすると、食事もコンビニで売られている菓子パンやお弁当など、手軽に食べられるものについ目がいきがち。でも、そういうものは得てして炭水化物が多い。もっとも大切な栄養素はたんぱく質です」(麻生先生)
メンタルバランスと密接に関係しているのが、「脳内ホルモン」と一般的に言われているセロトニンなどの神経伝達物質。これらはたんぱく質から合成されます。しかしパンやおにぎり、麺類など、炭水化物中心の食事では、材料となるたんぱく質が不足することに。血液や筋肉など、体の組織をつくるもととなるたんぱく質は、脳にとっても大切なもの。お肉やお魚などもしっかり食べて、たんぱく質を補給するようにしましょう。
■鉄分は女性にとってマスト・ミネラル
血液を構成する赤血球に含まれ、全身に酸素を運ぶという大切な役割を担っているのが「ヘモグロビン」と呼ばれるたんぱく質。そのヘモグロビンが減少して十分な酸素が行き渡らず、めまいや立ちくらみ、倦怠感などの症状を引き起こすのが貧血です。よく“貧血予防には鉄分補給が大事”と言われていますが、それはヘモグロビンの成分となっているのが鉄分だから。
しかし鉄分の働きはそれだけではありません。鉄分には脳内ホルモンの合成をサポートする働きもあるため、鉄分が不足するとメンタルバランスにも影響が及ぶことに。
「月経による出血で体内の鉄分も失われていくので、慢性的に鉄分が不足している女性は多いんです。女性は特に鉄分を意識してとってほしいですね」(麻生先生)
■頭をたくさん働かせるなら、ビタミンB群も補給して
新しい環境で仕事や生活をしていると、いろいろ考えることが多くて頭は常にフル回転の状態ですよね。脳をしっかり働かせるには、十分なエネルギーが必要です。糖質や脂質からエネルギーをつくるときに必要となるビタミンB1やB2など、ビタミンB群も脳にとって大切な栄養素。麻生先生によれば、頭をたくさん使うとそれだけビタミンB群も消耗してしまうのだとか。
また脳内ホルモンの合成に必要な補酵素(食べ物を消化・吸収するときに必要な酵素の働きをサポートする成分)でもあるので、ビタミンB群も積極的にとるようにしたいですね。
■脳に必要な栄養を効率よくとるなら、やっぱりお肉!
では実際に、どんなものを食べたらいいのでしょうか?
「たんぱく質、鉄、ビタミンB群。これらをすべて備えた食材は、牛肉や豚肉など赤身のお肉です」(麻生先生)。
また、魚ならたんぱく質や鉄分が豊富なかつおがおすすめ。スーパーで買った切り身をそのまま食べてもいいし、サラダに入れて食べても。好みに合わせてアレンジしてみてはいかがでしょうか。
体にとっても心にとっても、食事は大事。なにかと疲れやすい新生活を乗り切るためにも、毎日3食、しっかり食べることを意識しましょう!
つづいては、心も体も元気になれるおすすめレシピを紹介します!