ふたりで仕事を続けたときの現実的な「世帯年収」とは？

よく理想の相手の条件を話すときに「年収1000万円以上」という話題になりますよね。でも、額面上で1000万円なら手取りは約800万円。もちろん平均よりは多い金額ではありますが、はたしてその金額でいわゆるお金持ちのような、全部の理想をかなえることのできる暮らしができるのかというと、そういうわけではありません。

今は、結婚後も共働きというのが一般的な時代です。今やっている仕事を続けたいのに結婚をするからあえてやめなくてはならないという時代でもないですから、相手の年収がいくらであっても、まずは自分自身の稼ぎもあるということを前提として考えてみるのがいいでしょう。

共働きであるとすると、「世帯」として収入をみる必要があります。今は社会の仕組みとして毎年お給料が上がっていく人ばかりではなく、当たり前のことですが男性のほうが女性より収入が多いともかぎりません。実際には住む場所や子どもの人数などでも暮らしに必要な金額がかなり異なり一概には言えませんが、相手の収入に頼りすぎないということを考えると、ふたり合わせて自分の年収の倍以上になるくらいがより現実的な理想ではないでしょうか。

お金のことは結婚前にしっかり話し合いが必要

おつき合い中に貯金額の話になることはあまりないかもしれませんが、とっても気になるポイント。ぜひ結婚前に正直にお互い話しておきたいところ。万が一結婚前に貯金額が少なかったとしても、結婚がきちんと貯金と向き合うターニングポイントになるはずです。これからしっかり貯めていく意思があるのか確認しましょう。

もうひとつ気にしてほしいのが、お金の使い方です。たとえば何も考えずクレジットカードの支払い設定をリボ払いにしていたり、貯金もできていないのに高い買いものをくり返していたり、飲み会をたくさん入れたりなど、あきらかに自分のお金の使い方のせいで毎月カツカツという生活をしている人は要注意。

リボ払いは、借入金額が増えていっても毎月の返済金額が変わらないため、無自覚なまま借金を増やしていく危険があり、利息の負担も激増します。ほかにも消費者金融などに借金をしていないかなど、なかなか聞きづらいことですが結婚前にパートナーに確認してみましょう。

女性だからこそ意識したい結婚後のお金のこと

お金の問題はふたりで一緒に向き合っていくのがいちばんですが、一方で女性だから直面するお金の仕組みもたくさんあります。たとえば、産休・育休の制度。産休・育休中は給与の3分の２から計算される一定額の支給があり、その間の社会保険料の支払いが免除されます。そのためには、同じ会社で1年以上雇用されていて休業前の職場に復帰すること、などの条件が。出産や育児はもちろん男性にも関係のあるライフイベントのひとつですが、圧倒的な当事者は私たち女性です。そういった意味でも、女性も自分自身で自分のお金を増やしたり、守る意識をきちんと持っておく必要があります。

そして、最終的にいちばん大事なのが「価値観が合うかどうか」です。お金のことに無頓着で、かなりのムダ遣いをしていても直そうともしない人はもちろん嫌でしょうし、どういった飲食店を選ぶかや洋服や美容にかけるお金の理解度などお金の使い道の価値観が合わないと、今後の人生を何十年も一緒に過ごすとなるとつらい日々が続いてしまうはず。また、共働きであれば、家事を分担するだけでなく、お金のやりくりもふたりで考えていくのが平等ですよね。
お金についてふたりでしっかり共有して、「家計は任せっぱなし」ではなく、何事も一緒に考えていける人が理想的なのではないでしょうか。

イラスト／うつみ ちはる　ライター／浜田 彩