暑い日、お風呂上がりや洗顔後に「顔を冷やして引き締める」ケアをしていませんか? じつはその習慣、お気に入りの化粧水や美容液の効果を半減させているかもしれません。肌の温度と美容成分の浸透には深い関係があり、冷えた肌では成分が角層の奥まで届きにくいことが研究データで明らかになっています。今回は、株式会社サティス製薬が行った研究試験の結果を元に「肌温度とスキンケア」の関係について解説いたします。
Contents 目次
「冷やすケア」、効果が半減しているかも!?

お風呂上がりの「冷やして引き締める」が落とし穴
暑くてお風呂上がりや洗顔後、扇風機やエアコンの風を顔に当てたり、冷やしたコットンで肌を引き締めたりするケアをしていませんか? 「毛穴が引き締まる」「スッキリする」という感覚から行っている人も多いかもしれませんが、じつはそのケアが化粧水や美容液の効果を大きく損なっている可能性があります。
冷えた肌は「浸透しない×乾燥する」の最悪ループに
とくに気温の高い真夏から残暑にかけては、冷房で室内の空気が乾燥しがち。そのうえ、冷えた肌の状態で洗顔後に「暑いから」と5分放置すると、水分は急激に蒸発してしまいます。
ここで起きているのが「冷えて浸透しない」「水分が蒸発して乾燥する」という二重のダメージです。せっかくていねいに選んだスキンケアアイテムも、冷えた肌では本来の力を発揮できません。
肌温度が高いと、美容成分は浸透しやすい

図はサティス製薬が行った研究試験データの結果です。
データが証明。温かい肌は「浸透の扉」が開いている
(グラフ)ヒートマットや保冷剤を使って肌の温度を意図的に変えたうえで、蛍光色素を含む液を塗布し、15分後に肌の表面を5層分はがして顕微鏡で浸透具合を確認する試験が行われました。
(画像)肌温度が高い状態では、蛍光色素が角層の第3層・第4層・第5層まで到達していたのに対し、肌温度が低い状態では、比較的第1層・第2層付近にとどまっている様子が確認されました。
試験の結果は、肌が温かいほど、成分が奥層まで届いていることがわかりました。
なぜ温かい肌のほうが浸透しやすいの?
肌の温度が高くなると、一時的に細胞間脂質の構造が変化しゆるみます。 また、温度が上がると分子の動き(ブラウン運動)が活発になり、美容成分が角層の奥へと拡散しやすくなります。つまり「温かい肌=浸透の扉が開いている状態」。逆に冷えた肌は細胞間脂質は引き締まり、成分が表面に留まりやすくなってしまうのです。
「お風呂上がり5分以内」が黄金のスキンケアタイミング
お風呂上がりはまだ肌が温まっており、浸透の扉が大きく開いているゴールデンタイム。このタイミングを逃さず、温かいうちにすばやく化粧水や美容液をなじませることが、スキンケアの効果を最大化するコツです。
【今日からできる! 温めケアのポイント】
・お風呂上がり5分以内に化粧水・美容液を塗る
・両手のひらで顔を包み込む「ハンドプレス」で体温を利用して浸透させる
・スチーマーやホットタオルで肌を温めてからスキンケアを行う
・マッサージをとり入れ、血行を促して肌温度を上げる
冷やすケアと温めるケア、どちらが正解?

ここまで、「冷やすケア=効果半減」とお伝えしてきましたが、肌を冷やすケアがNGというわけではありません。大切なのは「目的に合わせて使い分けること」です。
冷やすケアにも「いいこと」はある
「例えば、化粧品の浸透性は肌温度が高いほうが向上しますが、一方で、肌温度が低いほうが炎症や皮脂分泌を抑えられるといった側面などもあります。大切なのは、目的に応じた使い分けだと考えます。
シートマスクはもともと成分を届けやすい設計がされていますが、より浸透性を高めたい場合はハンドプレスなどで肌を温め、炎症や皮脂分泌を抑えたい場合は使用しながら涼しい環境で過ごす、とより効果的に使用できると思います。
ただし、肌温度が下がりすぎる(30度以下)とバリア機能が約40%低下するといった研究報告などもあるので、冷やしすぎ(または温めすぎ)には注意が必要です。
化粧品の成分の種類や量、肌の状態によっても効果への影響はさまざまではありますが、以下のような使い分けをとり入れてみるのもひとつの手だと考えます。
『浸透』を優先したいとき:肌を冷やさないケア
『炎症や皮脂分泌の抑止』を優先したいとき:肌を冷やすケア
ぜひ、目的に合わせてとり入れてみてください」(サティス製薬 研究担当)
つまり、肌温度だけではなく、肌の状態や成分の種類、濃度などで使い分けるのがスキンケアのコツ。ちょっと難しそうですが、「浸透させたいとき・保湿したいとき→温めケア」「引き締めたいとき・メイク前→冷やすケア」という考え方で日々のお手入れを意識するのがよさそうですね! 高価な美容液を使っていても、肌が冷えていてはもったいない! 今日のスキンケアから「温度」を意識してみてください。
【参考・監修】株式会社サティス製薬調べ
文/FYTTE編集部



