ビールのお供としておなじみの枝豆は、大豆の未熟な実を収穫したものです。大豆は紀元前2000年前から中国で栽培され、日本でも古くから親しまれている作物ですが、「枝豆」として食べるようになったのは江戸時代から。日本独特の食習慣でしたが、日本食ブームや冷凍技術の普及により、近年では、北米・ヨーロッパなどでも塩ゆでした枝豆が食べられるようになっています。
Contents 目次
栄養素
- たんぱく質
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- ビタミンK
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- 葉酸
- パントテン酸
- ビオチン
- ビタミンC
- 食物繊維 など
栄養素のポイント
大豆にも多く含まれる、食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンB1などが豊富です。その上、枝豆(生)を大豆(国産・黄大豆・乾燥)の100キロカロリーあたりの栄養価と比較すると、葉酸は約4倍、ビタミンCは20倍、β-カロテンは90倍も含まれています。さやがあるため、茹でてもあまり栄養価が失われないという利点もあります。
旬・産地
枝豆の旬は7~9月。
おもな産地は千葉県、山形県、北海道、群馬県、埼玉県などです。
トリビア
いろいろな枝豆
市場に多く出回っている枝豆は、さやに白い産毛を持つものですが、そのほかにもさまざまな品種があります。
・茶豆/
豆が少し茶色を帯びているのが特徴。香りがよく、甘みも強め。新潟県を中心に栽培されています。
・だだちゃ豆/
とうもろこしに似た独特の香りと甘みが特徴で、さやに茶色の産毛があります。山形県の特産。
・丹波黒大豆/
大粒で甘みがあります。出回り時期は10月~と遅め。兵庫県丹波市の特産です。
選び方
新鮮な枝豆の選び方
さやの色が淡い緑で、産毛の密度が濃いものが新鮮です。豆が育ち過ぎておらず、粒ぞろいのものを選びましょう。
枝つきのものを売っている場合は、枝つきの方が鮮度を保てます。節と節の間隔が狭く、さやが密生してついているものを選びましょう。
育ち過ぎは香りが落ちる
写真右のように、実入りが7~8割くらいのものが、いちばん香りが高くおすすめです。左のようにパンパンになったものは育ちすぎており、香りが落ちて、さやも硬くなります。見分けるときの目安にしましょう。
保存方法・期間
枝豆の冷凍保存のコツ
枝豆は時間が経つと、豆がやせて、甘みも失われていくので、手に入れたらその日のうちに茹でましょう。
茹でた後に小分けにし、さやつきのまま冷凍保存。1カ月程度を目安に食べきりましょう。食べるときは自然解凍します。
下ごしらえのコツ
下処理と茹でるときの塩加減がおいしさの秘密
茹でる水の量に対して、4%の分量の塩を用意します。そのうちの3分の1の塩を枝豆にまぶし、両手で優しくもんで産毛を落とします。
産毛を落としたらバットに広げて、5~10分おきましょう。あくや汚れなどが水分とともに浮き出てきます。
その後、沸騰した湯に、塩がついたままの状態の枝豆と残りの塩を入れ、4分茹でます。
下の写真のように、さやの口が開いたら、茹で上がりのサインです。ザルにとり、うちわで扇いで冷ますと色が鮮やかになります。水はかけないようにしましょう。
時間がたった枝豆は砂糖を入れて茹でる
入手したその日のうちに茹でられなかった場合は、甘みが落ちてしまうので、茹でるときにひと工夫加えるとよいでしょう。塩2%+砂糖2%で茹でると、甘みが戻ります。
味をしっかりつけたいときは、さやの端を切る
塩もみをする前に、ハサミでさやの端をカットすると、塩味が豆に染み込みやすくなります。