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在宅勤務で座りっぱなしの時間が一段と長くなり、肩こりなどから頭痛に悩まされる人も増えているかもしれません。いくつかある頭痛のなかでも多い症状がズキズキと痛みがある片頭痛ですが、実際に頭痛薬が効いている人はわずか半分ほどしかいないとされます。そうしたなかで頭痛の治療にヨガをとり入れると、薬の服用のみの場合に比べて、頭痛の頻度が減るという報告がありました。必要なのはヨガマットだけといたってシンプル。試してみる価値はあるかもしれません。
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片頭痛に悩む人がヨガをしたら…
ヨガが生まれた場所といえばインド。このたび片頭痛に対するヨガの効果を調べたのも、インドを代表する医科大学の全インド医科大学の研究グループでした。月に４～14回の突発性片頭痛に悩んでいる114人（18～50歳）を対象に、「頭痛薬の服用のみ」と「頭痛薬の服用+ヨガ」の2グループにランダムにふり分け、頭痛に対するヨガの効果を調べました。
「頭痛薬の服用+ヨガ」のグループは、1時間のヨガのプログラムを受講し、呼吸法やリラクゼーション法、正しい姿勢について学びました。ヨガのインストラクターによるレッスンを週3日、１か月間受けたあと、自宅で週5日を2か月継続しました。いずれのグループにも適切な頭痛薬が処方され、睡眠、食事、運動など、頭痛を防ぐために規則正しい生活になるよう医師の指導を受けています。対象者には頭痛があった日数や痛みの程度、服用した薬の記録をつけてもらっています。
ヨガで頭痛の頻度が約半分に
するとわかったのは、両グループで改善は見られたものの、「頭痛薬の服用+ヨガ」グループのほうが頭痛の頻度、痛みの強度、薬の服用量、片頭痛による日常生活への支障のすべてのポイントにおいてより改善が大きかったことでした。
「頭痛薬の服用+ヨガ」グループは頭痛の頻度が調査開始時に月に平均9.1回だったのが、３か月後の調査終了時には4.7回までに減り、48%減少していました。「頭痛薬の服用のみ」グループは、開始時は月に平均7.7回だったのが、終了時には6.8回に減り、12％減少していました。
薬を飲みつつヨガに取り組むと、薬を減らせることもわかりました。「頭痛薬の服用+ヨガ」グループでは、頭痛薬の服用量が47%低下していましたが「頭痛薬の服用のみ」グループは12%程度しか低下していませんでした。
研究グループは「今回の結果から、ヨガは片頭痛の痛みを減らすだけでなく、治療の費用も減らせると示された」と解説しています。長く続く頭痛では医療費も負担になるので大切な結果。研究グループは、今回の研究の期間はわずか３か月だったことから、今後の研究でより長期的な効果が明らかになることを期待しています。わずかなスペースで手軽にできる頭痛対策として、参考になるかもしれません。
＜参考文献＞
FOR BETTER MIGRAINE TREATMENT, TRY ADDING SOME DOWNWARD DOGS
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/3792
Kumar A, Bhatia R, Sharma G, et al. Effect of yoga as add-on therapy in migraine (CONTAIN): A randomized clinical trial [published online ahead of print, 2020 May 6]. Neurology. 2020;10.1212/WNL.0000000000009473. doi:10.1212/WNL.0000000000009473
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32376640/
