季節はもう秋。涼しくなり体を動かすのが楽しい季節ですが、急な運動には要注意! 運動したり汗を流したりした後には、足がつってしまうリスクがあるんです。その対処法と予防策をご紹介します。
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どうして足はつるの? その原因とは
漢方薬を中心に一般用・医療用医薬品を販売しているクラシエが行った調査*によると、約6割の人が運動による「足のつり」を経験していると回答。年代別では40代(77.5%)が最も多くなっています。
足のつりは、「発汗による、筋肉を動かすのに必要なミネラルのバランスの乱れ」と「冷えによる血流の悪化・筋肉の緊張状態」によって起こります。運動時はもちろん、運動した日の就寝時も起こりやすい傾向があり要注意です。
では、どうしたら足のつりを予防できるのでしょうか。その方法と足がつってしまったときのために常備しておきたい漢方薬もあわせて紹介します。
*調査概要
○調査対象:全国の20代~60代の男女200名(有効回答数)
○調査期間:2021年5月6日~11日
○調査方法:インターネットアンケート
「足のつり」を予防する5つの方法
1. 足湯
足裏にはたくさんのツボがあります。ツボは押すだけでなく、温めることでも刺激になるので、足湯でも体全体があたたまる効果があります。
2. ふくらはぎマッサージ
血行を促進し、冷えを予防する足のマッサージが効果的。就寝前に、ふくらはぎをやさしくほぐしてみましょう。
3. 足首ストレッチ
足首を向こう側へ倒してから手前に曲げる、という動きを数回ゆっくりとくり返します。
寝ながらできるので、就寝前に行うのがおすすめです。
4. 締めつけないレッグウォーマー
冷え対策で靴下をはく場合、締めつけの強いものだと逆に血行を悪化させてしまうことも。ふんわりと包み込んでくれるレッグウォーマーで、足首の冷えの予防をしましょう。
5. 就寝に常温のスポーツドリンクを飲む
睡眠中も発汗をするので、就寝前にスポーツドリンクなどで水分と栄養分を補給するのもいいでしょう。ただし、飲み過ぎは冷えやむくみ・足のつりにつながるので要注意。できるだけ、常温か温かいものをひと口ずつ、ゆっくり飲むのがコツです。
6. 筋肉疲労に役立つ食べもの
漢方では、赤い食材は血を増やし血の巡りを改善して体を温めると考えられています。鶏肉・牛肉・魚・大豆製品・酢のほか、クコの実・なつめなどを積極的に摂取することも有効です。
「足のつり」が起きてしまったら、漢方薬がおすすめ
予防をしても足がつってしまったら、漢方薬を飲むのもおすすめです。漢方は一時的な対症療法ではなく、原因から改善し体のバランスを整えていくことを目的としています。
とくにおすすめの漢方薬は、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」。
就寝中の突然のこむら返り、久しぶりの運動中の足のつり、筋肉のけいれんによる急な痛みなど、急激な筋肉のけいれんで悩んでいる人におすすめです。漢方薬は即効性がないというイメージですが、「芍薬甘草湯」は“今、効いて欲しいとき”に役立ちます。万が一の足のつりに備えられるよう、常に携帯しておくのもよいでしょう。
食事や漢方で、根本から体質改善を
健康的な体を保つには運動は大事ですが、根本的な体作りのためには体質改善も欠かせません。漢方では、人の体の3つの構成要素であるうちのひとつである「気」が不足している状態のことを「気虚(ききょ)」と言います。
気は目には見えない、人の体を支えるすべての生命エネルギーのようなものですが、気虚になると下記のような症状がでてしまいます。
■疲れやすく、元気がでない
■気分が落ち込み、やる気がでない
■手足や体が冷える
■風邪をひきやすい、感染症にかかりやすい
■食欲がない、消化が悪い、さらに食後に眠くなる
こうした症状に心当たりがある人は、食事を見直したり、漢方をとり入れたりするのがおすすめ。以下に、体の「気」を補うために効果的な食材を紹介します。
足りないエネルギーを補充するためには、栄養をたくさんとる必要があると思われがちですが、気虚はすでに胃腸が疲弊している状態。とくに食欲がないときはムリに食べることは避け、消化によく胃腸に負担をかけないものを食べる習慣をつけましょう。
胃腸のはたらきや体力が低下している人におすすめの漢方薬は、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」です。胃腸のはたらきをアップし、食欲を出すことにより「気」を増やし、「気」を上の方に動かし循環させることで、疲れを改善していく処方。疲れを感じていて体に倦怠感がある人や、食欲不振の方に効果的です。
突然の痛みで動けなくなってしまう「足のつり」は、二度と経験したくないほど辛いもの。ここで紹介した予防法と対策をとり入れて、心置きなく「スポーツの秋」を楽しみましょう!
文/MFC