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CATEGORY : ヘルスケア |女性ホルモン

私たちの体と心を守る「女性ホルモンの基礎知識」。一生を支え、うるおいと健康のメカニズム

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両胸を抱えるようにふれる女性のイメージ

「ホル活」を実践するうえで欠かせないのが、自分の体を司るホルモンへの正しい理解です。女性ホルモンは単に生理に関わるだけでなく、肌のハリや髪のツヤ、さらには骨や血管の健康、心の安定にまで深く関わっています。今回は、女性の人生の大半を通じて変化する女性ホルモンの種類とその役割、そしてライフステージごとに訪れる心身の変化について、日本専門医機構認定・産婦人科専門医 Medytox社認定・腟ヒアルロン酸注入指導医の宮本亜希子先生に分かりやすく解説していただきました。

監修 : 宮本 亜希子 (医師)

兵庫医科大学医学部医学科卒業後、同大学病院産婦人科、聖霊病院産婦人科、あいこ女性クリニック(不妊治療クリニック)、東京美容外科などを経て、2024年BIANCA CLINICへ入職。同年に世界初で唯一の「Medytox(メディトックス)社認定 腟ヒアルロン酸注入指導医」に就任。
現在、BIANCA CLINICに加えて、日本橋骨盤底診療所と名古屋のBellevia clinicで診療を行う。女性が抱えるさまざまな悩みに寄り添うため、周産期医療や一般婦人科だけでなく、婦人科形成や膣へのヒアルロン酸注入といった「産婦人科専門医による本当のフェムテック」に積極的に取り組む。女性の解剖を熟知した産婦人科医として、正しい知識や医師としての想いを発信するためにテレビ、YouTubeや各種メディアなどでの活動も行う。3児の母でもある。
共著書『美容外科医になったら最初に読む 美容手術の基本』(メディカ出版)
BIANCA CLINIC:https://biancaclinic.jp/doctor/miyamoto/
Instagram:https://www.instagram.com/akko__1122

Contents 目次

知っておきたい「女性ホルモンの基礎知識」

花で子宮の形をイメージ

FYTTE:前回は「ホル活」の全体像について伺いましたが、今回はその主役である女性ホルモンについて。知っている人も多い一般的な知識かもしれませんが、女性ホルモンの種類や役割について基本的なことを教えてください。

宮本先生:一般的に「女性ホルモン」と呼ばれているのは、主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。

エストロゲンは、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるだけでなく、腟粘膜のうるおいを保つ、脂質代謝を促して血管の健康を維持する、骨密度を保つなど、非常に多岐にわたる役割を担っています。また、自律神経の調整や、肌や髪のハリ・ツヤの維持にも関与しています。

一方、プロゲステロンは、排卵後に分泌されるホルモンで、エストロゲンによって厚くなった子宮内膜を維持し、妊娠の成立・継続を支える働きがあります。

また、意外に思われるかもしれませんが、女性の体でも男性ホルモンであるテストステロンが分泌されています。分泌量は男性の約10分の1程度ですが、性欲や意欲、活力に関わる重要なホルモンです。さらに近年では、腟のうるおいや健康にも関与している可能性が指摘されています。

FYTTE:やる気や元気に関わるテストステロンは、最近注目されています。筋トレによって高まると聞いたことがあるので、筋肉量が低下しがちな中高年や閉経後の女性はとくに意識したいですね。

女性ホルモンと体と心の関係

女性ホルモン量の年代別グラフ

FYTTE:続いて女性ホルモンのバランスが崩れると、体や肌、心にどんな変化や影響がありますか?

宮本先生:女性ホルモン、とくにエストロゲンが減少したりバランスが乱れたりすると、女性のQOL(生活の質)には大きな影響が出ます。

まず見た目の変化としては、肌のハリが失われ、髪のツヤがなくなることがあげられます。また、医療的な側面で深刻なのは、骨密度の低下です。エストロゲンには骨を守る働きがあるため、不足すると将来的に骨粗しょう症のリスクが高まり、高齢になってからの転倒・骨折が寝たきりや認知症の引き金になることもあります。

さらに、自律神経が乱れることで、動悸や頭痛といった「自律神経失調」の症状が現れやすくなります。デリケートゾーンに関しては、腟粘膜の乾燥や萎縮が進み、pH値が上がって自浄作用が弱まることで、炎症や痛みが起きやすくなるのも大きな特徴です。

FYTTE:次に具体的な年代別(女性のライフステージ)に起こりやすいホルモン変化の特徴を教えてください。10代は初潮がはじまる年代ですが人によっても時期が異なりますし、ホルモンも不安定になりやすい印象があります。閉経も人それぞれだと思います。一般的に起こりうるホルモンリズムについて教えてください。

宮本先生:私はよく、ホルモンの変化を飛行機の「離陸」と「着陸」に例えます。不安定なのは飛び立つときと降りるとき。つまり、10代と更年期です。

10代(思春期):まさに「離陸」の時期です。
卵巣機能が未熟なため、ホルモン分泌が不安定で月経不順などが起こりやすいのが特徴です。

20代:本来は分泌が安定する時期ですが、親元を離れひとり暮らしを始める、就職をして社会人になることでストレスや睡眠不足、生活の乱れが起こりやすくなります。あと過度なダイエットやムリな食事制限でバランスを崩しやすい世代でもあります。

30代:妊娠・出産を経験する方が多い時期です。注意したいのは産後の授乳期です。
授乳中はプロラクチンというホルモンの影響でエストロゲンの分泌が抑えられるため、その状態が長期間続くと、肌や髪の乾燥、膣の乾燥、不快感、骨密度の低下などにつながることがあります。授乳にはさまざまなメリットがありますが、産婦人科医の立場からは、母体が長期間にわたり低エストロゲン状態に置かれることにも注意が必要だと考えています。母親の体調や健康にも配慮しながら、母乳育児のあり方を考えることが大切です。

40代:徐々にエストロゲンが減り始める「プレ更年期」から「更年期」へと移行する時期です。
ホルモンの状態がゆらぎやすい世代でもあります。症状の現れ方には個人差がありますが、ライフスタイルや性格的な傾向も関係していると考えられます。例えば、完璧主義な方や責任感の強い方ほど、不調を感じやすい傾向があります。

また、更年期に何らかの不調や症状が長く続く場合は、「更年期症状だから」と安易に放置しないことも大切です。この時期の不調をすべて更年期のせいにするのではなく、ほかの疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

50代以降:「着陸」ともいえる閉経(平均51歳前後)を迎える時期です。
多くの女性が月経を終え、女性ホルモンの分泌が大きく低下します。ホルモンの分泌がほぼ止まるため、動脈硬化や骨粗しょう症のリスクが高まるほか、GSM(閉経関連尿路性器症候群)による膣の乾燥や性交痛、頻尿、尿もれ、くり返す膀胱炎などに悩む人が増える時期でもあります。
こうした症状がつらい場合は、ムリをせず医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

次回は、多くの女性が気になっている「老け」や「やせにくさ」とホルモンの関係、そして医師・クリニック選びについて伺います。

取材・文/FYTTE編集部

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