スーパーでよく見かけるゼスプリキウイ。そのおいしさや栄養価は、どのように作られ、日本に届いているのでしょうか。今回訪れたのは、ニュージーランド有数のキウイ産地・カティカティ。太陽の恵みを受ける農園では、糖度や果実の密度を高めるための栽培技術や、1年を通じた丁寧な管理が行われていました。さらに、収穫後は最先端のパッキングハウスで厳格な品質管理と温度コントロールを経て、日本へ。ふだん食べているキウイの背景にある、生産者たちのこだわりと努力を現地取材でレポートします。
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太陽と自然に恵まれた、キウイの名産地「カティカティ」へ

ニュージーランド北島にあるカティカティは、日照時間が長く、キウイ栽培に適した環境を備えた産地として知られています。
今回訪れた「Twin Kauri Orchard(トゥイン・カオリ・オーチャード)」は、豊かな自然に囲まれた農園。ここで高品質なキウイを育てているのが、カーナカン家です。
広大な農園では、グリーン、サンゴールド、ルビーレッドの3品種を栽培。園主のロッキー・カーナカンさんは、「おいしく栄養価の高いものを消費者に届けることが最優先」と語ります。
その言葉通り、この農園では“収穫して終わり”ではなく、食べる人を想定した栽培設計が行われていました。
甘さと身の詰まりを高める、ゼスプリキウイならではの栽培技術

キウイ作りは、収穫期だけでなく1年を通じて続く仕事です。
冬には枝を整える剪定、春から夏にかけては実の数を調整する摘果などを行い、栄養を果実にしっかり届ける工夫を重ねています。
中でも印象的だったのが「ガードリング」という技術。幹に切り込みを入れ、光合成で作られた栄養を果実に集中させることで、果実のサイズだけでなく“ドライマター(果実の身の詰まり)”を高めるのだそう。
このドライマターが高いほど、糖度が高く濃厚な味わいにつながるといい、ゼスプリキウイのおいしさを支える重要なポイントのひとつになっています。
サンゴールド、グリーンルビーレッド、…品種ごとに違う魅力

ゼスプリキウイには、それぞれ異なる個性があります。
サンゴールドは甘みが強く、ジューシーな味わいが特徴。さらに、ビタミンCを豊富に含んでいることから、健康や美容を意識する人たちからも人気を集めています。
グリーンはさわやかな酸味と甘みのバランスが特徴の、昔ながらの定番品種です。3品種の中では食物繊維が最も豊富で、腸活を意識する人にもうれしい存在。
古くから愛されてきた定番の品種で、取材した園主のロッキーさんも「個人的にはグリーンがいちばん好きだ」と明かすほど、根強いファンが多い品種です 。
ルビーレッドはベリーのような濃い甘みが特徴の注目品種。現地では「ハッピー・キウイ」という愛称でも親しまれており、その甘さから子どもたちにも人気なのだそうです。
厳しい品質基準をクリアしたものだけが収穫される

ゼスプリキウイは、熟していれば収穫できるわけではありません。
収穫前には、糖度やドライマターなどを測定し、基準を満たした農園だけに「収穫許可(クリアランス)」が出されます。
そんなキウイの品質を科学的に評価するのが「Hill Laboratories(ヒルズ・ラボ)」。ここでは、収穫前のキウイの成熟度が厳しくチェックされています。

とくに重要なのがドライマターの指標です。果実を乾燥させ、水分を除いた後の成分量を測定することで、将来の甘さを予測します。この数値が高いほど、熟したときに甘く濃厚な味わいになるとされています。
検査は非常に厳格で、GPSやバーコードを使ってサンプルの採取場所まで正確に管理。基準を満たした場合のみ収穫が許可されます。
この徹底した品質管理により、どのキウイを選んでも一定以上のおいしさが保証されているのです。
さらに驚いたのは、日本に輸出されるのは最高ランク「クラス1」のみということ。
現在は収穫されるキウイの約90%がクラス1に達しているそうで、日々の栽培管理の高さがうかがえます。
私たちが日本で手にしているゼスプリキウイは、まさに選び抜かれた品質のものなのです。
20時間稼働のパッキングハウスで鮮度と品質を守る

厳しい検査を終え、収穫されたキウイは、「Apata Katikati(アパタ・カティカティ)」という大規模なパッキングハウスへ。
ここでは、カメラによる自動検品とスタッフによる目視チェックのダブル検査を実施。傷や品質を確認しながら、サイズごとに選別されていきます。

そこで驚いたのは、日本に輸出されるのは最高ランク「クラス1」のみということ。
現在は収穫されるキウイの約90%がクラス1に達しているそうで、日々の栽培管理の高さがうかがえます。
私たちが日本で手にしているゼスプリキウイは、まさに選び抜かれた品質のものなのです。

さらに、急速冷却後は低温で“休眠状態”にすることで鮮度をキープ。輸送中にゆっくり追熟が進むよう設計され、日本の店頭で食べ頃になるよう管理されているそうです。
1個のキウイに詰まった、生産者の情熱とニュージーランドの誇り
今回の取材で感じたのは、ゼスプリキウイは“果物”である前に、多くの人の手と技術で作られるプロダクトだということ。
農家による丁寧な栽培、品質を守る検査、テクノロジーを活用した流通設計。そして地域ぐるみで次世代の生産者を育てる仕組み。
何気なく食べていたキウイの背景には、こうした積み重ねがありました。
毎日の栄養補給としてとり入れている人も多いキウイ。次に食べるときは、その1個に込められたストーリーも思い出したくなりそうです。
文・取材/FYTTE編集部



