前回に続き、糖尿病専門医の飯島康弘先生に、血糖値を安定させる健康コスパが高い、体をいたわる食材について伺いました。毎日の食事で意外と迷いがちな同じジャンルの食材。どちらを選んでも大差ないように見えて、じつはその小さな違いが、血糖値や栄養バランス、さらには続けやすさにも大きく影響します。今回は、そんな身近な食材をとりあげて「どっちを選ぶとより健康コスパが高いか」をわかりやすく解説。具体的な選び方と、無理なく続けるための工夫もあわせてご紹介します!
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一見、どちらを選んでも大きな違いはなさそうと感じる食材でも、じつは血糖値や健康コスパの観点で見ると、その差は決して小さくありません。迷いがちな食材をとり上げ、健康コスパの観点から2択形式で解説していきます。
問題1:ツナ缶(油漬け)vs ツナ缶(水煮)
→ ツナ缶(水煮)
「水煮は脂質が0.7~1.0g、カロリーは50~100kcal。油漬けは脂質が15~20g、カロリーは200~270kcalと、油漬けは水煮に比べてカロリーは2〜3倍、脂質は約10倍以上も含まれます」(飯島康弘先生)
同じ食材ですが、選び方次第でここまで大きな差が出てきます。とはいえ、水煮だとあっさりしてもの足りなさを感じる方もいます。
「もの足りなさを感じる場合は、ごま油を少量足したり、すりごまやいりごまをプラスするだけで、風味やコクがぐっとアップします。脂質の量を自分でコントロールしながら満足感も高めることで、おいしさと健康コスパを両立しやすくなりますよ」
問題2:バナナ vs みかん
→ バナナ
「朝のエネルギー補給として選ぶなら、バナナです。食物繊維も含まれ、満足感もあります。一方で、みかんはバナナに比べて腹持ちしにくく、つい食べる量が増えやすい点に注意が必要。箱で買うと3〜4個と手が伸びがちですが、果糖のとりすぎは中性脂肪の増加につながるリスクがあります。『パンに果物を添えるのは、ラーメンライスを食べているのと同じですよ』と患者さんにはよく伝えていますが、バナナを朝食に食べる場合も、その分主食の量を減らすようにしましょう」
問題3:牛乳 vs 豆乳(無調整)

→ 豆乳 (無調整)
「目的によって選び分けが必要です。血糖値の安定を優先するなら豆乳(無調整)、骨の健康を重視するならカルシウムが豊富な牛乳を選びましょう。なお、調製豆乳は砂糖が加えられているため糖質が高くなりがちなので、注意。無調整豆乳にきな粉を加えれば、カルシウムとたんぱく質を補うこともできます」
問題4:鶏もも肉(皮なし) vs 鶏むね肉(皮なし)

→鶏むね肉(皮なし)
「価格の安さと栄養効率で選ぶなら、鶏むね肉(皮なし)です。100gあたりのたんぱく質23g、脂質は1.5〜1.9g、約60円と低価格。鶏もも肉(皮なし)は100gあたりたんぱく質19g、脂質約5g、約90円です。高たんぱくで低脂質、価格も安価なのは鶏むね肉です。パサつきが気になる場合は塩糖水(水に塩と砂糖を混ぜた液)に数時間漬けるなどの下処理でやわらかくしっとりしますよ。一方、鶏もも肉も、たんぱく質豊富で味の満足度が高いというメリットもあるので、続けやすいほうで選んでもよいでしょう」
問題5:うどん vs そば
→そば
「血糖値の上昇をゆるやかにしたいなら、そばがおすすめです。食物繊維が比較的多く、GI値も低め。さらにルチンというポリフェノールも含まれています。ただし、市販の乾麺には小麦粉主体のものもあるため、そば粉が主体の十割そばや八割そばを選ぶようにしましょう。うどんを食べる際は具材を工夫することが大事。わかめやきのこ類、ほうれん草、鶏肉など食物繊維やたんぱく質を多く含む具材をトッピングし、具材から先に食べてよく噛むことで血糖値の急上昇を抑えられます」
問題6:野菜ジュース(果物入り) vs トマトジュース(無塩)
→トマトジュース(無塩)
「果物入りの野菜ジュースは飲みやすい反面、糖質が多くなりやすく、液体の糖分は吸収が早いため血糖値を上げやすいのが難点です。トマトジュースは糖質が比較的控えめで、リコピンやβ-カロテンなどの栄養も豊富。さらに温めればスープベースとしても活用でき、使い勝手もよいです」
今回紹介したように、日々の食事はどちらを選ぶかによって大きく変わります。がんばり過ぎず、そのときの体調やライフスタイルに合わせて、よりバランスのよい選択を続けていくことが大切。少しの工夫で血糖値の安定や満足感、続けやすさはしっかり両立できます。次回は糖尿病専門医流「買い物&調理の基本ルール」をご紹介します!
取材・文/小野寺 紗名美



