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「やせ型だから大丈夫」はNG! 体型や年代、性別でも異なる「血糖値」。自分に合う対策の見つけ方
血糖値は単なる健康指標ではなく、美容やエイジングにも深く関わる「バロメーター」。では、具体的に「老けにくい体」を作るためには、どのようなケアを始めればよいのでしょうか。じつは血糖値が乱れやすい原因は、体質や年代、性別によっても異なります。今回は、内科・糖尿病専門医・医学博士の市原 由美江先生に、「具体的な予防対策」と、注意すべき「血糖値の不調を招きやすいタイプ」について詳しく伺いました。
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「血糖ケア」は何をしたらいい?

FYTTE:今回は、具体的な「血糖ケア」の方法について教えていただきます。やはり基本は食事と運動でしょうか?
市原先生:基本中の基本は、「適正体重の維持」と「食事・運動・睡眠・ストレスケア」の4本柱です。まず、内臓脂肪や脂肪肝があると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の効き目が弱くなってしまいます。そのため、太りぎみの人は体重を適正に戻すことが、血糖値を安定させる近道になります。
FYTTE:食事について、具体的にどのようなことに気をつければよいですか? 最近は極端な糖質制限も目にしますが…。
市原先生:今はもう「糖質制限」の時代ではありません。大切なのは糖質を完全に抜くことではなく、コントロールすること。野菜、たんぱく質、炭水化物をバランスよくとるのが基本です。 そして、ぜひ実践してほしいのが「食べる順番」と「よくかむこと」です。まず野菜をゆっくり時間をかけて食べて、次にたんぱく質、最後に糖質という順番に。これだけでも食後の血糖値の急上昇を抑えられます。
FYTTE:「ゆっくり」というのは、どのくらいの時間を目安にすればいいのでしょうか。
市原先生:できれば、炭水化物を食べ始めるまでに、野菜やたんぱく質類を10分ほどかけて食べるのが理想的ですね。よくかむことでインスリンの分泌が促されるので、早食いは禁物です。順番を守っていても、一気に早く食べてしまっては意味がありません。
FYTTE:運動の内容や行うタイミング。食事と運動以外に、意外と盲点なケアはありますか。
市原先生:運動は「食後なるべく早い段階」で行うのが効果的です。筋肉が血液中の糖を吸収してくれるので、大きな筋肉がある太ももを刺激するようなスクワットや階段の上り下りなどがおすすめです。
あとは「睡眠」と「ストレスケア」ですね。睡眠不足は食欲を増進させるホルモンを増やし、過食を招きます。また、ストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンが出て血糖値を上げてしまいます。現代社会では難しいかもしれませんが、6~7時間の睡眠を確保し、ストレスをため込まない工夫も、立派な血糖ケアになりますよ。
血糖値の不調を招きやすいタイプと特徴

FYTTE:血糖値の問題といえば「肥満の人」というイメージが強いですが、ほかにも注意すべきタイプはありますか?
市原先生:じつは、「やせ型」の女性こそ注意が必要なんです。私のクリニックにも、明らかに細身なのに血糖値スパイク(食後の急上昇)を起こして受診される方がたくさんいます。
その要因は、筋肉量不足です。「筋肉が糖を吸収する」ので、筋肉が少ないと食べた糖を処理しきれず、数値が跳ね上がってしまいます。とくに下半身の筋肉が少ない人はリスクが高いので、やせている人ほど筋トレを意識してほしいですね。
FYTTE:筋肉が大切なんですね。年齢や性別による傾向はどうでしょうか。
市原先生:一般的に糖尿病の有病率は男性のほうが高く、40代以降で増える傾向にあります。これは仕事のストレスや夜遅い夕食、飲み会などの生活環境が影響していると考えられます。
一方で女性は、50代以降の「更年期」が大きなターニングポイントです。女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、インスリンの効き目が悪くなってしまうのが要因です。同時期には血圧やコレステロール値も上がりやすくなるため、50代に入ったらこれまで以上に食事や体重の管理を意識する必要があります。
FYTTE:世代によっても気をつけるポイントが変わるんですね。ちなみに、遺伝性のものについても、一般の読者が心配する必要はありますか?
市原先生:血のつながった家族に2型糖尿病の人がいると、その遺伝によって2型糖尿病の発症リスクが高まります。糖尿病は遺伝的な体質と食事・運動・睡眠などの生活習慣や環境が、おおよそ半分ずつ影響して発症すると考えられています。自分の生活習慣や筋肉量に目を向けて生活し、糖尿病の発症を予防しましょう。
やせ型の人や、更年期を迎える女性にとって「血糖ケア」が他人事ではないことがわかりました。健康な人でも、筋肉不足やストレスが原因で血糖値が乱れている可能性があるのですね。
次回は、市原先生が理想とする「3日間の献立モデル」や、「外食時の選び方」など、具体的な食事のルールについて深掘りしていきます。
取材・文/FYTTE編集部



