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子どもは大人以上に暑さの影響を受けやすい? 今こそ知っておきたい「夏の免疫ケア」
連日の猛暑で、「なんとなく体がだるい」「疲れが抜けない」と感じることはありませんか? 近年は35℃を超える猛暑日も珍しくなく、熱中症だけでなく、暑さによる体への負担も気になるところです。とくに子どもは体温調節機能が未熟なため、大人以上に暑さの影響を受けやすいといわれています。夏を元気に過ごすには、水分補給やエアコンの活用だけでなく、睡眠や食事など、日々の生活習慣を整える「免疫ケア」も大切です。今回は、猛暑が体に与える影響や、夏に意識したい体調管理についてご紹介します。
Contents 目次
酷暑が日常になった夏。体にはどんな負担がかかる?
ここ数年、日本の夏は「暑い」だけでは表しきれないほど過酷になっています。35℃を超える猛暑日に加え、地域によっては40℃近い気温を記録する日もあります。
気象庁は、最高気温が40℃以上となる日を「酷暑日」とすることを発表しました。厳しい暑さは、私たちの日常生活にも大きな影響を与えています。
暑い環境では、体は汗をかいたり、皮ふへの血流を増やしたりして、体内の熱を外へ逃がそうとします。つまり、激しい運動をしていなくても、暑い場所にいるだけで体には負担がかかっているのです。
近年は、こうした「高温ストレス」が、体調や免疫細胞の働きに与える影響についても研究が進められています。
大人よりも暑い? 子どもが暑さの影響を受けやすい理由

とくに注意したいのが、子どもが受ける暑さの影響です。
環境省によると、思春期前の子どもは、汗をかいて体内の熱を逃がす体温調節機能がまだ十分に発達していません。また、体重に対する体表面積の割合が大人より大きいため、周囲の熱の影響も受けやすいとされています。
さらに、幼児は身長が低く、大人より地面に近い位置で過ごすため、アスファルトからの照り返しを強く受けます。
環境省の資料では、東京都心の気温が32.3℃だったとき、地上50cmでは35℃を超え、地面に近い5cmでは36℃以上になっていました。大人が感じている以上に、子どもは厳しい暑さにさらされている可能性があるのです。
夏にインフルエンザで学級閉鎖? 感染症にも注意
夏に気をつけたいのは、暑さによる体力の消耗だけではありません。
近年は、冬以外にもインフルエンザによる学級閉鎖が報告されています。2026年6月には、群馬県高崎市で、流行シーズン外としては同市で初めてとなるインフルエンザ様疾患による学級閉鎖が発生しました。
また、夏に子どもがかかりやすい感染症のひとつが、アデノウイルスによる咽頭結膜熱、いわゆる「プール熱」です。
厚生労働省によると、咽頭結膜熱は発熱やのどの痛み、結膜炎などを伴う、小児に多い感染症。通常は6月頃から流行し始め、7~8月にピークを迎えるとされています。
暑さで体力を消耗しやすい夏だからこそ、熱中症だけでなく、日々の体調変化にも目を向けることが大切です。
乳酸菌プラズマとウイルス、暑さの関係を調査
こうした背景のなか、キリンホールディングスは、「乳酸菌 L.ラクティス プラズマ(乳酸菌プラズマ)」について、呼吸器ウイルスへの作用を調べた研究結果を発表しました。
乳酸菌プラズマが免疫細胞に働きかけ、複数のウイルスへの抗ウイルス作用を示唆
乳酸菌プラズマは、「免疫の司令塔」とも呼ばれる免疫細胞「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を活性化する乳酸菌です。pDCはウイルスの侵入を察知すると、抗ウイルス物質を作り、ほかの免疫細胞に働きかけます。
細胞を使った実験では、乳酸菌プラズマで刺激した免疫細胞の培養液を加えることで、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの増殖が抑えられました。
また、アデノウイルスを使った実験では、乳酸菌プラズマを同時に加えることで、抗ウイルス物質「インターフェロンα」の産生量が増加。アデノウイルスに対する免疫反応をすばやく促す可能性が示されました。
つまり、乳酸菌プラズマと、複数のウイルスに対する免疫反応との関係が示されたということです。
ただし、これらは細胞を用いた非臨床試験の結果です。乳酸菌プラズマを摂取することで、実際に感染を予防したり、治療したりできることを直接示したものではありません。
高温環境では、免疫細胞の働きが弱まる可能性も
もうひとつ注目したいのが、夏の暑さと免疫細胞の働きとの関係です。
研究では、pDCを通常の体温に近い37℃と、夏の活動時の深部体温を想定した38.5℃の環境で培養し、その働きを比較しました。
その結果、38.5℃の高温環境では、37℃の場合よりも抗ウイルス物質「インターフェロンα」の産生量が減少。高温によって免疫細胞の働きが弱まる可能性が示されました。
一方、細胞実験では、乳酸菌プラズマを加えることで、高温環境によるpDCの働きの低下が抑えられました。
つまり、暑さによって免疫細胞の働きが鈍くなる可能性と、乳酸菌プラズマがその低下を抑える可能性が示されたのです。
ただし、こちらも培養した細胞を使った実験です。実際の人体で、夏の暑さによって同じ変化が起きると証明されたものではありません。
専門家に聞く、猛暑の夏に意識したい「免疫ケア」
今回の研究について、運動免疫学を専門とする早稲田大学スポーツ科学学術院教授の鈴木克彦先生は、「近年の猛暑では、熱中症対策だけでなく、暑さによる体への負担を意識した体調管理が重要です」と話します。
暑さによる体への負担を考えるうえで、ポイントになるのが「深部体温」、つまり体の内部の温度の上昇です。
個人差はありますが、ふだん室内で過ごすことが多く暑さに慣れていない人や、週1回30分以上の運動習慣がない人では、35℃以上の屋外を約10分歩くだけでも、深部体温が約1℃上昇する可能性があるといいます。
また、子どもは体温調節機能が未熟で、暑さによるストレスや脱水の影響を受けやすいとされています。
「暑さに慣れておらず運動習慣がない大人が、気温35℃の中を10分歩いて感じる暑さを、小学校低学年程度の子どもは気温38℃程度の環境として感じている場合もあります。子どもは大人以上に大きな負担を受けている可能性があります」(鈴木先生)
そのため、猛暑が続く夏は、水分補給や体を冷やすことに加え、規則正しい生活、栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、涼しい時間や室内での適度な運動といった「免疫ケア」で、健康的な生活習慣を意識することが大切です。
暑さ対策と生活習慣の両面から、夏の体調を整えよう

夏の体調管理というと、熱中症対策に目が向きがちです。しかし、暑さによる負担をため込まないことも、元気に夏を過ごすための大切なポイントです。
こまめな水分補給やエアコンの活用、日差しを避ける工夫、適度な休憩に加え、十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
とくに子どもは、大人以上に暑さや脱水の影響を受けやすいため、「水分をとったか」「顔が赤くなっていないか」「汗のかき方に変化はないか」「食欲や元気はあるか」など、周囲の大人がこまめに確認することも大切です。
発熱やのどの痛み、目の充血などがある場合は、単なる夏バテと決めつけず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
家族みんなで暑さ対策を心がけながら、睡眠、食事、休養といった日々の「免疫ケア」も意識し、厳しい夏を健やかに乗り切りたいですね。
参考:
環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php
厚生労働省「咽頭結膜熱」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/pcf.html
文/FYTTE編集部



