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オレイン酸などのオメガ9系不飽和脂肪酸を豊富に含み、抗酸化成分も多いアボカド。美容と健康によいとすすめられていますが、このたび心臓の病気の予防にもなりそうという報告がありました。1日1個、アボカドを食事に加えると、動脈硬化や冠動脈疾患を引き起こす超悪玉コレステロール「酸化LDL」が減ったそうなのです。
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メタボで増える「小型高密度LDL」
オメガ9系脂肪酸が豊富なアボカドは悪玉コレステロール（LDL）を下げるうえに、通常サイズのLDLより小さなLDL粒子（「小型高密度LDL」と呼ばれます）を減らす作用があることも知られています。メタボリックシンドロームや糖尿病で増加するこの小さいLDLは、血管の壁のなかに入りやすいうえに酸化されやすく、“超悪玉コレステロール”と見なされる「酸化LDL」となって動脈硬化や心臓病を引き起こすと考えられています。
そこで今回、米国ペンシルベニア州立大学の研究グループは、アボカドを加えた食事によって酸化LDLを減らせるのかどうかを調べました。対象は過体重や肥満で悪玉コレステロールが高くなっている男女45人。低脂肪の食事のほか、適度に脂肪を含む食事2種類（アボカド1日１個を含む食事と、アボカド1個分に相当するオレイン酸を摂取できるもの）の3パターンをそれぞれ5週間ずつとってもらって、血液中の悪玉コレステロールや酸化マーカーを調べました。
血液中の抗酸化物質も増加
そうしてわかったのは、アボカドが血液の健康につながるということでした。アボカドを加えた食事をとったあとは、とる前と比べて血液中の酸化LDLが9％近くも減少。ほかの2パターンの食事では、このような変化は見られませんでした。さらに、この酸化LDLが減ったのと同様に、小型高密度LDLの数も減ったほか、血液中の抗酸化物質（ここでは「ルテイン」）が増えていました。
どうやらアボカドには、オメガ9系脂肪酸の働きだけではない独特の酸化を防ぐ作用があるようです。実際に心臓の病気を防ぐ効果があるかどうか評価するには、長期的な試験が必要ですが、LDLの酸化を防いで動脈硬化になりにくくする作用が期待できそうです。
動脈硬化は老化にも関係するものだけに気になるところ。意識的にふだんの食事にアボカドをとり入れるとよいかもしれません。
＜参考文献＞
An avocado a day may help to lower risk of cardiovascular disease
https://nutrition.org/an-avocado-a-day-may-help-to-lower-risk-of-cardiovascular-disease/
J Nutr. 2020 Feb 1;150(2):276-284. doi: 10.1093/jn/nxz231.
https://academic.oup.com/jn/article/150/2/276/5588100
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31616932
