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「落ち舌」が万病や二重あご・たるみの原因に!? 歯科衛生士18年のプロが語る「舌トレ」のススメ

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「落ち舌」が万病や二重あご・たるみの原因に!? 歯科衛生士18年のプロが語る「舌トレ」のススメ

「最近、フェイスラインのもたつきや二重あごが気になる」「朝起きると口の中がカラカラに乾燥している…」そんなお悩みの背景には、舌の筋力低下によって生じる「落ち舌」が原因かもしれません。今回は、一般社団法人日本舌協会代表であり、歯科衛生士として18年のキャリアを持つ高松舞先生が提唱する「調舌(ちょうぜつ)」の基本概念や活動のきっかけ、そして「舌トレ」によって得られる驚くべき全身への健康・美容効果について詳しくお話を伺いました。

監修 : 高松 舞 (歯科衛生士/調舌士)

一般社団法人日本舌協会 代表理事。歯科衛生士として18年のキャリアの中で、舌の機能が全身の健康や美しさに直結することを痛感。「調舌(ちょうぜつ)」を通じて、本来の健康的な顔立ちを取り戻すメソッドを提唱している。
一般社団法人日本舌協会
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Contents 目次

なぜ、舌のトレーニングが必要なの?

舌のトレーニング(舌トレ)を、日本舌協会では、「調舌(ちょうぜつ)」と言われていますが、「調舌(ちょうぜつ)」について、どんな意味や想いが込められていますか。

※この記事では、舌のトレーニング=「舌トレ」と表記しています。

「『調舌(ちょうぜつ)』とは、ひと言で言うと『舌を整えて健やかに』というコンセプトを掲げた、お口のトレーニング活動です。私たち協会の最終的な目標は、『誤嚥(ごえん)のない世界』を作ることにあります。

『誤嚥』や『のどの衰え』と聞くと、高齢者の方だけの問題だと思われがちですが、じつは決してそうではありません。現代では、小さなお子さんから若い世代にいたるまで、のどに食べものを詰まらせるなどの窒息事故で亡くなる人が非常に増えています。

口の健康と言えば、虫歯や歯周病の予防知識を持っている人は非常に多いのですが、『口や舌をトレーニングして鍛える』ということに関心を持っている人は、まだまだ極めて少ないのが現状です。私たちは、この舌を整えることの大切さを広く社会に伝えていきたいと考え、活動しています」(高松舞先生、以下同略)

「調舌」の活動を始めるきっかけについて、教えてください。現代背景や理由がありましたか?

「私は歯科衛生士として20年近く患者さまの口の中を見てきました。その中で、歯だけをいくらきれいに整えても解決しない悩みが非常にたくさんあることに気づいたのです。それが、無意識の『食いしばり』や、飲み込むときに『むせる』といった症状でした。

私自身も自分の舌の位置や状態を見直したことで、顔の見た目(たるみや二重あごなど)が改善しただけでなく、長年悩んでいた食いしばりも軽減しました。この経験から、『舌は全身の姿勢や日常生活のあらゆるパフォーマンスと深く結びついている』ということを痛感したのです。

さらに、私自身の個人的な体験も大きなきっかけとなっています。

ひとつは、私の祖父の死です。
祖父は肺がんを患っていましたが、亡くなるまでの約1か月間、急速に言葉を発せなくなり、食べられなくなっていきました。当時は酸素マスクを常時着用していたため、口の中をじっくり見る機会は少なかったのですが、じつは口の中が極端に乾燥し、舌がカチカチに硬くなっていました。

そして、乾燥した口内の細菌や、硬くなった舌のせいでうまく飲み込めない状態が重なり、最終的に『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』を併発し、苦しみながら息を引き取りました。歯科衛生士である私でさえ、その兆候に事前に気づいてあげられなかった。その悔しさが、『誤嚥予防の知識は専門家だけでなく、一般の人こそが持つべき予防医学だ』という強い信念につながっています。

もうひとつは、私の子どもの深刻な体調不良です。
子どもが3歳のころから、毎月のように激しい頭痛を訴え、頭痛から頻繁に嘔吐しては脱水症状を起こし、点滴を打つために病院へ通う生活を送っていました。脳の検査をしても異常なし、原因不明と言われ、一生この頭痛の不安と戦わなければいけないのかと絶望していました。

しかし、必死に勉強を重ねる中で『舌を整えることが食いしばり予防になり、全身に好影響を与える』と知ったのです。そこで子どもと一緒に舌のトレーニングを実践したところ、なんと嘔吐の頻度が劇的に減り、嘔吐や頭痛の症状自体が完全に消失しました。今では元気にサッカーができるほど健康です。『頭痛だからといって頭(脳)だけの問題ではない、口と全身は確実につながっている』ということを、身をもって証明してくれたできごとでした」

「舌トレ(調舌)」で改善することは?

続いて、舌のトレーニングを行うことのメリットや改善することを伺いました。

「得られるメリットは本当に多岐にわたりますが、代表的なものを3つご紹介します。

1. 食べること・飲み込むこと(嚥下)がスムーズになります
舌トレによって舌の正しい位置と、繊細でコントロールされた動きが身につきます。これにより、食べものを口の中でまとめてスムーズにのどへ送り込めるようになります。

2. 口周りのこわばりがとれ、シワやたるみの改善につながります
舌が本来の位置から落ちて使えていないと、口の周りの筋肉が過緊張を起こしやすくなり、それが顔のシワやたるみ、口呼吸を誘発します。舌を鍛えて位置を正すことで口もとがリラックスし、表情がすっきりと豊かになります。

3. 姿勢が改善し、若々しい印象になります
多くの人は『舌は口の中だけに独立して存在する筋肉』と思われているかもしれません。しかし、舌の根もとはのどから首、そして全身の筋肉・筋膜へとつながっている巨大な器官です。

舌の位置が正しく上顎(口の天井)にピタッと吸着するようになると、頭部を内側から支える力が生まれます。これにより、頭が前に突き出て猫背になるような『崩れた姿勢』が自然とスッと伸び、見た目の美しさによい変化が現れます。

じつは、大人の『落ち舌』は赤ちゃん期の環境や、成長過程での姿勢の崩れなどに起因していることが多いのです。何歳からでも鍛え直すことはできますが、根本的な姿勢や環境から見直していくことが大切です」

更年期症状のひとつに、唾液量の低下、のどがむせる(ドライマウス)など、があるそうです。舌を鍛えることとの関連性や、改善する可能性についてはどうでしょうか。

「改善の可能性はあります。もちろん、ホルモン量の増減そのものを舌トレだけでコントロールすることは断定できませんが、更年期世代のドライマウスやむせの多くは、無意識のうちに生じている『口呼吸』と『舌の低下』の原因が考えられます。

女性ホルモンの低下に伴い口が乾燥しやすくなる中で、舌が下がって『落ち舌』になると、口がわずかに開いてしまって寝ている間などに口呼吸になります。朝起きたときに口の中がカラカラで、強い口臭を感じるという女性が本当に増えています。

ここで舌トレを行い、舌の位置を正して、のどの奥にある『舌骨(ぜっこつ)/首の前側、のどぼとけの少し上に位置するU字型の小さな骨』と呼ばれる骨をグッと引き上げられるようになると、空気の通り道である気道が広がり、自然と口を閉じて正しい鼻呼吸ができるようになります。

口を閉じられるようになれば、唾液の分泌量や循環がスムーズになり、口の乾燥の改善にもつながります。さらに、鼻呼吸に変わることで自律神経が整い、睡眠の質自体も向上するため、更年期特有の不調の軽減にもつながります」

「舌トレ」を継続するコツ『いつでも、どこでも、何かしながら』

最後に、何か新しくトレーニングを始めよう思ったとき、続かない人が多いと思うのですが、習慣にするコツがあれば教えてください。

「じつは、私のスクールやサロンの受講生様の中には、ザセツして続けられなかったという人はひとりもいません。それは、『生活をガラリと変える過酷な筋トレ』を強いるのではなく、日常に自然と溶け込ませる『習慣化』の仕組みをお伝えしているからです。

舌トレを継続させるための、おすすめの工夫をいくつかご紹介しますね。

例えば、お風呂場にトレーニンググッズを置いて、お風呂に入る前にトレーニングを行うようにする。キッチンに小さな鏡を置いて、料理の合間や家事の最中に、鏡を見たら舌を動かすクセをつける。

あとは、食事そのものを舌トレに変えることです。『よくかむこと』自体が、舌トレになります。食事のときに『ふだんよりかむ回数を少し増やしてみる』『姿勢に気をつけてかむ、飲み込む』などを意識するだけで、立派な舌トレになります。ただし、硬いもの(スルメやお煎餅など)をムリにかみ続けるのは歯やあごに負担がかかるのでおすすめしません。正しい姿勢でかむ回数を増やすことが重要です。
出勤途中や車の運転中など、『この移動時間だけは舌を動かそう』と決めて行うのも手軽でおすすめです。

一般的な体のトレーニング(ジムなど)は、専門のウエアを着たり、場所や時間を確保したりする必要がありますよね。しかし、舌トレの最大の強みは『いつでも、どこでも、何かしながら(ながらトレーニング)』できることです。
新しくトレーニングの時間を作るのではなく、今すでにある毎日のルーティンに『ちょい足し』する感覚で、ぜひ気軽に楽しんで続けてみてくださいね」

ありがとうございました。

次回は、「正しい舌の位置」のチェック方法や、「舌のトレーニング」についてお届けします!

 

撮影/鈴木 謙介
取材・文/FYTTE編集部

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